皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、最近は合氣道の技術を上げる補助訓練として気功法をご紹介していますが、今回は甩手(すわいしょう)です。
このブログでわかること
合氣道の技の質を上げるのに役立つ氣功として今回は甩手をあげます。甩手は統一体で行うと、身体に気が回るだけでなく、様々な病気にも効果があるといわれています。このブログでは、養生法としての甩手だけでなく、武道としての応用もわかります。
目次
甩手(すわいしょう)の効用
甩手(すわいしょう Shuǎishǒu )には前後の甩手と正中線を軸に体を捻る甩手があります。前後の甩手は前回の擺腕でも紹介しました腕振り運動として普及しているものです。体を捻る甩手は摔甩(すわいそう/高藤仙道での呼び方です。発音記号では「 Shuāi shuǎi (しゅわいしゅわい)」となっています)という別名もあり、太極拳などの柔拳では重要視され、準備運動として鍛錬されています。
なお、当会では、前後の甩手の代わりに前後の擺腕(はいわん)を行うために摔甩のみを鍛錬しております。
【腕振り運動(前後の甩手)の効果】
関英男工学博士はその著書の中で腕振り運動で画期的な効果のあった例として次のものを上げています。
・肺癌(午前2000回、午後2000回、夜2000回を5ヶ月)
・関節炎
・食道癌
・頚部淋巴線癌(1日1000回)
・半身不随(5、6ヶ月)
・肝硬変
・白内障(朝800回、夜1000回で4週間)
・トラコーマ、色盲、まぶたに生じるこぶ
・心臓病、高血圧
・神経症、精神分裂症
・腎臓病
これ以外に中国拳法研究家の笠尾恭二氏は太極拳で学んだ捻る甩手で空手で痛めたひどい腰痛を直したとその著書に書いています。人によってはかなりの違いがあるでしょうが、このように様々な症状で効果が出ている甩手です。
甩手のやり方
以下では前後の甩手と摔甩のやり方を説明します。
【前後の甩手のやり方】
前後の甩手のやり方もたくさんありますが、関英男工学博士のやり方を説明します。呼吸は自然呼吸で行います。
①立禅の立ち方か肩幅に足を開いて少し膝を緩めて立つ
②両掌を内に向け向かい合わせにする
③力を抜いて手を後ろに振り上げる
④後ろに振り上げた反動で腕が戻ってきたら前に振り上げる
③と④をできる限り長い時間繰り返して行う。
また掌の方向ですが、指導者により手の甲を前にするように指導する場合もあります。掌を向かい合わせにする場合はできる限り氣で両掌が繋がっている意識を持つと良いでしょう。
別のやり方としては、腹式呼吸を伴って行うやり方もあります。腕を後ろへ向かうときに吐く、腕が前に向かうときに吸うやり方とその逆もあります。
また腕の前後を1セットとして、1,2,3,4,5,6と、中国読みでイー、アル、サン、スー、ウー、リュウと数え、ウー(4)の時に屈伸して身体を垂直に落とし、リュウのときに戻すという動作を行うやり方もあります。この動作により垂直軸での呼吸力の獲得の助けになります。
色々なやり方がありますが、どれが正しいというわけではありませんが、自分がこれだと思ったものをやると良いでしょう。
【摔甩のやり方】
①肩幅に足を開き、立禅の姿勢で立ちます
立禅のように足を肩幅に開き膝を軽く曲げ骨盤を後傾し
背骨を一直線に立てリラックスして立つ
②腕の力を抜く
③息を吐きながらリラックスして体を捻る
④体の捻りにつられて腕が振られ体に絡みかせる
⑤体が捻りきると逆の方向に体を捻る
以上を60回以上繰り返す。
摔甩の別法として、捻りきった時点で捻った方の足の踵を付けたままで つま先を上げてさらに足の捻りも加えて捻り幅を大きくするやり方もあります。
甩手では統一体が非常に大切になります。統一体を意識し、そして何時間でもできるぐらいリラックスして腕の力を抜いて行うことを心がけましょう。
摔甩の武道での応用
前後の甩手については養生法としてしか当会では指導しないので、ここでは摔甩のみの武道での応用を述べます。下の写真は、中学3年生の女子が摔甩で後ろから思い切り抱き着かれた状態から脱出する瞬間をとらえたものです。
まだまだ初心者ですので頭は下を向いていますが、それでも重心位置は統一体の位置をとっているため、思い切り抱き着いた私が簡単に振り回されているのがわかります。
このようにリラックスして正しい甩手ができると大きな相手に抱き着かれても小さな女性でも相手を振り解くことができるようになります。
合氣道の形においては、 回転運動を伴う形の動作 では甩手の応用ができます。是非甩手を稽古して、後ろから抱き着かれた相手を振り解けるぐらいになってみて下さい。
◆ ◆ ◆
今回で合氣道に役立つ氣功法を紹介しましたが、是非行ってもらうときっと技に活きてくると思います。
最近、ブログを読んでメールで当身についての問い合わせがよく来ているので、次回は当て身について若干述べたいと思います。
読者の皆さん、素敵な一日をお過ごしください。
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