【攻守同時の打撃】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は、攻守同時の打撃についてお話ししたいと思います。


受けと同時に打撃を行うことの重要性

井口師範は、合気道の技を行う際、特に打撃に対する受けを行う場合は、かならず受けと同時に打撃技である当て身を入れるように指導されました。

飽くまでも受けと打撃が同時になるように指導されたのです。

これは、合気道では技を行う際に必ず陰陽を理解している必要があり、一つの手に気をまわしているだけではいけないと「右手を使ったならば、左てが遊んでいるようではいかん」と言われました。

これは、中丹田を意識することと、さらには、上丹田を意識する意味があります。

合気道では、臍下丹田である下丹田、中丹田、上丹田の3つを使えるようにしないといけないということです。

下丹田は物理的な力を伝えるのに関係があり、中丹田は左右の手のバランスや骨格上の最も有効な使い方などが関係しており、上丹田は自分を取り巻く空間の認識に関係があります。

このように、受けと当て身、攻守同時の使い方を行うことで、3つの丹田を使うと同時に、空間を意識するという訓練をするようになっているわけです。

ですから、「世界平和を目指す合気道において、人を痛めつけるような技はふさわしくない」とばっさりと当て身を切り捨てることによって、大切な空間感覚を養う訓練も切り捨てることになってしまいます。

概念主義や精神主義に傾かず、本質が何かを探求するのが大切です。


空間を意識する

僕が学んだ井口師範の合気道では正面打ちに対する形では、正面打ちを受けるとともに相手の脇腹に当て身を寸止めで入れます。

これは、無意識で当て身を入れるものではありません。正面打ちを受ける意識と当て身を入れる意識が同時に存在することで、意識は広い空間を感じることができます。

ですから、右手と左手だけを意識するものであってはいけないのです。

例えば、右手で相手の手刀をうけたなら、そこに意識の中心をおいて、さらに意識を左手まで広げます。この意識が大切です。

このように空間を意識する稽古をすることで、空間感覚を養い、自分が空間を支配する側に入ることができます。

空間を支配できたなら、相手の動きが作る空間と自分の空間で陰陽を作って、円転の理によって相手と調和した動きを作るわけです。


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