【相手の土俵で闘わない】2

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、相手の土俵で闘わないということですが、今回は受けのすべきことについて話さなければならないと思いましたので、それについて話したいと思います。


きっちりとした攻撃での稽古の必要性

もし、合気道を稽古していて、それを護身術として使いたいと考えるなら、最も大切なことは、技の受け手がちゃんとその役目を果たす受けと稽古をすることです。

よくあるのが、遠い間合いから、正面打ちや横面打ちや正面突きをするのに、相手が立っている位置にすら届かないところに攻撃をする人が、Youtubeの演武ですら非常に多いと感じます。

今から25年ほど前に、ある合気道の道場に体験に行ったときもその道場では、そういったやり方が普通になっていました。

その際、正面突き小手返しの稽古をしましたが、僕がしっかりと打つという意図を出して、相手に正面突きを出したところ、相手は受けないといけないのに、ビビッて後ろに下がってしまいました。

その際、そこの師範から「あなたは殺気が強すぎる。合気道はそのような敵意をむき出しにしてするものではありません」と、注意を受けました。

当然、僕は殺気を込めて相手を本気で殴るつもりで正面突きを出したのではありません。相手は黒帯だったので、きっちりと攻撃をしてあげないと相手に失礼だと思って、しかも寸止めをするつもりで出したのでした。

ですから、「敵意をむき出し」と言われるのは非常に心外でした。ただ、ちょっと殴るという意図を伝えるような打ち方をしただけで、ビビる黒帯の方が注意されるべきだあと僕は思いました。

人に見せるために演武を行うだけの体操として合気道を行う人はそれはそれでいいと思います。

けれども、少しでも 護身を考えるなら、その姿勢は考え直さないといけないと思います。何故なら、暴漢は、殺気を出して、敵意をむき出しにして攻めてくるからです。


合気道では相手の意図をコントロール

僕の師匠の井口師範は、合気道の稽古では、やはり、攻撃する人は意図を出さないといけないと言われていました。

単に前項で話したような攻撃に慣れていないのでは使えないという理由からではなく、合気道独自の合わせということが稽古できないという理由からです。

合気道の合わせを行うには
・そのバランスがどこにあるか?
・相手のタイミングはどうか?
・相手の気の状態がどうなのか?
など、相手をつかむ必要があります。

それにより、相手のバランスを崩したりします。要するに、如何に相手の土俵で闘わないか?という見方を徹底的に稽古する必要があるのです。

そのためには、受けを取る人は、意図をしっかりと出して、取りが稽古できるように攻めてやらないといけないのです。

何故なら、意図がない相手の動作のその意図に合わせることができないからです。

それが、古い合気道本来の稽古です。


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