【怒り? 愛?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は脳と合気道の愛についてお話ししましたが、今回はさらに踏み込んだ話をしたいと思います。


古い脳ほど無意識に強い作用

合気道で愛を説く理由ですが、これは脳の構造上で非常に合理的だからです。

前にもお話ししましたが、人の脳は、進化の段階で、 生命を維持する脳(脳幹、間脳)の上に感情脳(大脳基底核・大脳辺縁系)が加わり、最後に思考脳(大脳新皮質) が追加されるという形で獲得されてきました。

そのため、新しい脳より、古い脳の方が行動では優先されます。しかも、潜在意識や潜在能力についても、古い脳ほど強烈に作用します。

感情脳は思考脳より強烈に潜在意識や潜在能力に作用するということは、感情が体の状態に影響を及ぼすのは当然のことです。

ところで、脳の構造から考えると、「怒り」の方が闘うというのに優れた感情のように見えます。

何故なら、動物が激しい怒りを感じるときというのは「攻撃」するときです。そのとき、体は相手を攻撃するための準備に入ります。これにより非常に素早い動きが可能になります。

具体的には脳内では、闘うホルモンであるノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンの働きにより、神経が興奮させられ、血圧や心拍数を上げ、筋肉に効率よく血液を運び、体を活性化ることで、攻撃する準備に入ります。

このように「怒り」というのは、闘争のための準備なのです。


何故、合気道では愛を説く?

相手と闘うときは、身体が闘う準備ができる、「怒り」を爆発させた方がいいように思いますが、実は、これには欠点があります。

その欠点とは、怒りを持つと、大脳との接続が気薄になり、思考力が働かなくなる点です。要するに、判断力やIQが下がることで、単純な筋肉の力による闘い方になってしまうのです。

一方、合気道は「相手の土俵で闘わない」という発想で、力と力では闘わず、頭を使って闘うという選択肢をとります。これは、人間独自のスタイルであるわけです。

そのため、合気道ではネガティブな感情を持たず、最もポジティブな感情である愛を持つように言われるのです。

それにより、感情脳の中のやる気脳である側坐核が反応し、A10神経系を通じて、ドーパミンという快楽物質を放出することで、大脳の働きを高め、判断力をより高める手段をとるわけです。

さらに、ノルアドレナリンで身体を活性化するかわりに、骨格構造を活かした素早く反応できる姿勢や、強い骨格のポジションを使うことで対処します。

要は、相手が本能できたら、合気道は頭で闘うという選択肢をとるわけです。

ただし、頭を使うといっても、単に考えて行うというものではなく、状況を判断して的確に技を選んでたたかうということです。


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