皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、前回は仔犬に吠えられる人から学ぶことをお話ししました。今回は、「相手を見ずして相手を見る」とはどういうことか?に触れたいと思います。
見ることの意識と目の構造の問題と
人は何かを観察しようとすると、じっと一点を見つめてしまいます。よくよく観察しよとするほどその部分を見つめます。
このとき周りの様子が全く見えなくなってしまいます。例えば、本を読んでいると、横で人が通っても全く覚えてもいません。
ところが、普通にしていると、目の端に入った人がいると気づきます。ましてや、自分の好きな異性なら、思わず見てしまったりします。
このように、意識が変わることで、見える対象がかわります。特に一つのものを詳細に観察しようとすれば、心にフィルターがかかり、意識は一点に集まります。要するに、NLPでいうフレームです。
フレームによって、不必要な情報を脳はどんどんとカットし、より必要でより具体的なものに、意識の焦点を向かわせようとします。
脳は、見えていても、見えないようにすることで、より認識を確かにすることができるわけです。
これは人工知能ではかなり難しく、それができるようなら、補聴器でも、うるさいノイズをとって必要な音だけを取るということができるので、さまざまな分野で応用ができますが、これを「フレーム問題」といって現在の人工知能の分野でも最も困難なものといわれ、その解決策はまだ見つかっていません。
目の構造上の問題
先ほどの一つに意識が集中したら周りが見えなくなるという現象ですが、もう一つ大切なのは、脳のフレームの問題以外に、目の構造上の問題も大切です。
目ですが、武道では視野が非常に大切です。そして、視野というと2種類の視野があります。
一つは中心視野、もう一つは周辺視野です。
中心視野の役目は、モノの観察です。ですから字を読んだり、ものをしっかりと観察するには中心視野で捉えないといけません。
一方、特に草食動物ですが、食べるものを見るためには中心視野も必要でしょうが、いつ肉食動物に襲われるか分かりません。
そのため、常に周りの気配を見張っている必要がありますが、この草食動物に発達した視野が周辺視野です。
周辺視野は、基本的に色やはっきりとした形は判断できないそうですが、微妙な動きなど、小さな変化に敏感に反応できるようになっています。
そして、実は武道で、相手の気を感じるという見方はこの周辺視野を使った見方と関係があるのです。
この周辺視野を有効に利用できると、相手の動きがよくわかるようになります。
ですから、理想的には中心視野を捨て、周辺視野で見れる見方ができれば非常に武道としては有効になるのです。
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