みなさんお元気ですか? 私はすこぶる元気です。
さて、今日からは「相手の気に当たる」ということについてお話ししていきたいと思います。
合気道の形稽古では、例えば正面打ち入り身投げのというように「正面打ち」と名のつく技が沢山でてきます。
ちなみに、正面打ちというのは、手刀を頭上から相手目がけて打ち下ろす打撃技をいいます。
ところが、正面打ちという技ですが、実際の格闘などでは、ほとんど使われないのが実状じゃないでしょうか。
例えば、テレビなどでさまざまな格闘技が映し出されていますが、頭上に構えた手刀を相手に打ち込むような技を使う人をほとんど見ません。それぐらい一般的に使われないのが正面打ちです。
そんな特殊な状況の稽古を何故合気道ではするのでしょうか?
「手刀は刀の代わりであり、手刀に対処する稽古をすることで刀に対処できるようになる」という説もあります。
実は、切れる長ものである刀と手刀ではまったく間合いも違うので、手刀に対処できても日本刀に対処するのは不可能といえますし、刀が使われない現代社会において意味がないように思われます。
このようにお話しすると、合気道で稽古する正面打ちに対する技に全く意味がないように思われます。
しかし、井口師範は別の意義を唱えられました。「正面打ちの技は、気に当たる稽古で、合気道を極めるには非常に大切」と井口師範は言われていたのです。
では、次回はこの「気に当たる」ということについて具体的に説明したいと思います。