前回まで、「気に当たる」という話しをしましたが、それでは、相手が照準を定め攻撃しようと気を出した時しか使えません。
ところが、他の武道では、フェイントやジャブなどによる捨てパンチで、相手のスキをつくろうとするものです。要するに左パンチで誘い、右パンチを打ちだすというようなトリックを仕掛けます。
このように、相手が狙ってくれないと出せない「気」に当たるという技術が非常に難しくなります。そこで、「気に当てる」という技術が必要となります。
「気」に当てるというのは、相手がパンチを出そう出そうとこちらのスキを隙を伺っているときに変化する「気」に合わせて、その「気」に自分の「気」を当てます。
「気」に当たる技術は非常に大切ですが、一発パンチ勝負ではなく、連続パンチを駆使する他の武道にはそれだけでは絶対にかないませんので、そういった場合に使うのが「気」に当てるという技術です。
例えば、攻撃の意図をもって構えると、その構えから外に気が発生します。
この感じが「気」です。そして、秘伝なので公にはできませんが、その「気」の出方というのがあって、必ず体から放射される独特な形で「気」の出ていますが、この出ている「気」に対して当てるのが「気」を当てる技術です。
また、これは心理学的意味合いと生理学的意味合いがあり、特別な技術ではありません。