【片手取り 誘導歩法と丹田歩法を使う】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

片手取りの技は、正面打ちなどの当て身系の技に比べ、接触時間が非常に長いため、様々な訓練ができます。

そのためには、まずは基本的な捌きを覚える必要があります。

その上で、物理学、生理学、心理学の原理を用いた秘伝を使って、相手を導きます。

今回は、前回の体の転換法に引き続き、誘導歩法と丹田歩法を使った捌き方について書いていきます。


誘導歩法

 

誘導歩法は、基本的には、体に起こる運動エネルギーを相手に分からないように伝える体捌き法です。

重心の移動による運動エネルギーに体軸を中心とする角運動量がこのステップで複雑に絡み合い、受けの判断を狂わせ、気が付けば受けは崩されている状況になります。

【やり方】
取りは、相手に手首をとらせたら(①)、手首を動かさず、相手に任せきって、後ろ脚を前に一歩踏み出し(②)、運動エネルギーを作ります。

次に自分の運動エネルギーを利用して、体軸を中心として、回転運動を起こし、さらに後ろになった足を後方斜め後ろに円運動を描きながら移動させます(③)。

すると、受けに運動エネルギーと角運動量が伝わり、体が崩れるので、その動きに乗って手首を動かします。

それにより相手は大きく崩れます。

実際は、この捌き方は、相手の内側に入るため、相手が掴んでいない手で攻撃の準備をしていたら、手首を持った瞬間に打撃してくる恐れがありますので、とっさに当て身がだせる心構えが必要で、自分が移動するときは、相手のあごに当て身を入れます。

 

 


丹田歩法

丹田歩法は、基本的には、後ろ脚で地面から力を借り、丹田を押し出すように歩く歩法です。

これに、折れない腕の技術を使って、丹田と自分の手を結んで、強い状態を作っておき、足から丹田、丹田から腕と力を伝えます。

【やり方】
相手に手首を取らせたら(①)、前になっている足を相手の外側斜め前方に向けて丹田歩行します(②、③)。

ここで大切なポイントは相手の力の入るポイントを外すということです。特に受けが力の強い男性で、取りが女性である場合、確実に逆らわれてしまいます。

そのため、相手の肩を中心として、腕を円を描くように導く必要があります。

このときよくやる失敗は、相手の腕を上げようとすることです。

それにより力のぶつかりが出、相手に逆らわれてしまいます。

飽くまでも相手の肩を中心とした円運動を起こさせるということが大切です。

 

 


以上で、3系統5種類の捌き方を説明しましたが、合気道ではこれは飽くまで基本的な動きであるので、まずこれらの捌き方から技にどのようにつなげるかを稽古し、その後、これに物理学的、生理学的、心理学的な秘伝を適用し、組み合わせることで無限に近い捌きを実現します。

 

 

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