【形稽古のプロセス5:生理学的技術】呼吸力

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回まで、プロセス5で使う技術として、物理学的技法の中の陽・陰の技法を説明しました。

今回は生理学的技法について説明したいと思います。

生理学的技法というのは相手の反射や反応を引き起こす技術の総称です。今回は呼吸力についてご紹介します。

 


呼吸力

 

合気道では呼吸力という言葉がよく使われますが、実体として何かという具体的な説明はされていません。

多くの合気道指導者は、「気の力」と説明することが多いと思います。

ところが、詳細をうかがうと指導者それぞれの説明が全く違います。

ある人は力を完全に抜き切り、筋肉を一切使わない完全脱力状態になったとき出る力と説明します。

また、ある指導者は心身が統一したときに体に気が流れ、非常に強靭な統一体となり、脱力感を伴って大きなパワーを生み出すと説明します。

ちなみに、二代目植芝吉祥丸道主は、脱力ということは一切言っておらず、二代目道主著の講談社スポーツシリーズ「合気道」では、「人体の重心、臍下丹田より出す気力、心力、体力のすべて統一した無限の力を、合気道においては呼吸力と呼び、この力が通ずることによって、無数の各技法が生きた働きをするのである」とあります。

ところで、中国武術では、筋肉や腱や骨に気を流すという考えで、身体を鍛えますが、そのため、気が流れやすい姿勢があり、その姿勢で気を流して身体を鍛えて初めて使える身体となるとしています。

 


呼吸力の出し方!!

 

二代目道主の文面からは筋肉を使わないとはいわれていなので、多分当会と同様、中国武術のような気の考え方を採用してたものと考えられます。

当会に井口師範から伝わった呼吸力の出し方は、まず身体を強く使える体勢を作り、そして力を相手の皮膚に入れ込むというイメージで伝えます。

身体を強く使う姿勢とは、頭を点から糸で引っ張られているようにし、脊柱をまっすぐ立て骨盤を後傾することで、地面からの力を臍下丹田に集め、肩甲骨を開き、胸を凹ませるようにする姿勢です。

そうした姿勢を作って、さらに相手の皮膚に力を流し込むようにするのが呼吸力です。

実は、人の皮膚は、垂直方向には敏感で圧力など感じますが、皮膚に平行な方向にはかなり鈍感なため、力の読み誤るが生じるのです。

とは言っても、実際に指導を受けて初めて、この呼吸力の出し方が分かり、納得できますので、多分この記事を読んでおられる人には難しいでしょう。

ちなみに、この皮膚の使い方に関しては、拙著の中の相手の力を無力化するエッセンスに記載しています。もしご興味のある方はそちらを参考にしてください。キンドル版の本「力の弱い人でもできる唯一の護身術

 

 

 


 

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