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健康護身術を指導している橋本実です。

【自分軸を持って、しかもぶつからない】

皆さん、こんにちは!
お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です!

武道では、軸が如何にしっかりしているかが問題です。その上で相手とぶつかってもびくともしないのが理想です。特に一般の武道や格闘技は、その軸の強さが勝敗の決め手ともなるといっても過言ではないでしょう。

特に相手と正面切って正々堂々と戦うものならなおさらです。

合気道も他の武道と同様以上に軸を大切にしています。ですが、考えが若干違っています。

他の武道はぶつかり稽古という稽古をするぐらいで、力と力がぶつかることが前提です。一方、合気道は、ぶつからないのを前提としてます。

だからこそ、合気道は力の弱い人でも使えるという魅力があるのです。合気道の場合、自分の軸をブラさないのは最高のパフォーマンスを発揮するためです。

それには、合気道の身体を実現しないといけません。軸を作り、肩甲骨を気の流れる位置にスライドすると、上下方向に手の力が十分に発揮できる3つの気のラインが形成されます。それが、いわゆる体に気が通った状態となります。

そうして最大の強い状況を作りながらも、相手とはぶつからないための技術を駆使します。

当会では、骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術という4つに分類していますが、具体的には物理学的な方法、生理学的な方法、心理学的な方法のいずれかになります。

このような技法を使うことで、相手は気持ちよく倒れてくれます。無理やり力づくで抑えらえると、「この野郎」っていう気持ちが起こりますが、合気道で投げられた場合、何故か気持ちよく倒されます。そして、気が付くと、投げられた人の顔が笑っていることがよくあります。

これを合気道では導きといいます。しかし、よくよく考えてみますと、人を倒すという行為自体は人をねじ伏る行為であるわけです。武道である以上、相手をねじ伏せる必要があります。

でも、合気道の場合、ねじ伏せられた相手が、ねじ伏せられた記憶もないどころか、何故自分が倒れているかわからない状態になっている訳です。ですから、本人が意味がわからず、つい可笑しくなって笑顔になってしまうことが良くあります。

このように無理やり相手にいうことを聞かすのではなく、相手を導いて、自分が軸をブラすこともなく、相手が気が付けば倒れている状態こそが、合気道の理想とするところです。

これを合気道では自然さといっています。これは、合気道に限らず、日常生活でも、たまに経験することがあると思います。たまたま居合わせて、何故か手伝っていた。

気が付けば、「何故か人の仕事を手伝わされていたけれども、まあいいか」っていうシーンです。

このように、僕自身も、日常生活で合気道を活かせるようにならないといけないと最近は思っています。自分という軸をブラさず、しかも人とぶつからないそういったことができたら素敵だと思いませんか。

 

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【心理学的な技術と護身術】

皆さん、お元気ですか? 僕はかなり元気です。

さて、今日は心理学的な技術についてお話ししたいと思います。実は、僕は日ごろは温泉でマッサージ系セラピストをしているのですが、今日、詳しい事をいうと分かる人には個人が特定されるので詳しい事は言えませんが、関東在住の婦警さんがお客様としてこられました。和歌山県海南市でピストルの全国大会があるということで、和歌山まできたそうです。

それで、私が護身術を教えているというと、冗談を言ったと思ったようで、施術終了後時間があったので、少しデモンストレーションをしてみせました。デモンストレーションというのは、婦警さんは逮捕術はやっているので、その要領で、太字マーカーを握ってもらって、短刀のつもりで攻撃してもらい、それを奪い取るというものです。

婦警さんが短刀に扮したマーカーを僕の身体に突き立てようとした瞬間、目の前に掌底を寸止めで入れると同時に、マーカーを持った手にもう一方の手でストッピングをして、すぐさまマーカーを奪ような仕草をしました。

僕が行った技術は、心理学的な応用技術で、自分の情報を遮断して相手に分かりにくくし、そして相手の突こうとする瞬間にできる心理的な空白状態にあわせて掌底打ちをし、一種の金縛り状態を作り、そしてストッピングをいれました。

すると、その婦警さんは、
「護身術のプロだったんですね」
といいました。

「だから、そういったじゃないですか」
というと、少しかじったぐらいに思っていたようです。それで、相手の力の抜き方とか、何種類かのインスタントでできる技術を紹介すると、かなり感心したようです。

こういった心理学的な秘伝技術は身体的な技術以外に警察の逮捕術でも絶対に必要だと思いました。警察の逮捕術では、身体的な技術である体術中心で、自分の情報を隠蔽する技術はないので、古武道の息が残っている合気道のすばらしさでもあります。

その婦警さんは、将来、是非警察にそういう技術を教えに来てほしいと言って帰られました。今はピストルの稽古が忙しいそうですが、それが済んだら、そういう話を持ってくるかもしれないといわれていました。

そういえば、秋葉の通り魔殺人事件でも、犯人を取り押さえるのに、警官が命がけで何とか取り押さえたというような話を聞いたことがあります。やはり、多くの人を守る必要がある警察や自衛隊でも、身体的な技術だけでなく、心理学的な技術も少し研究する機関が必要じゃないかと、ふと今日は思いました。

 

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【護身術の手札の使い方の例】

皆さん、こんにちは!
お元気ですか? 僕はすこぶる元気です!

前回は、ビジネスと護身の共通点についてお話ししました。そして、最悪を想定して、そのための対策・戦略を持っているということでした。

そこで、今回は、護身術の戦略の一例を示したいと思います。
あなたが女性で、レイプなどあなたに暴行することを目的とした暴漢に出会ってしまった場合を想定します。

あなたは、手を捕まれた場合に備え、手の外し方だけを知っているとします。今、あなたは自然を満喫するため一人でハイキング気分で人気の少ない道歩いています。するると前から来た屈強な若い男があなたの前に現れたかと思ったら、いきなり手首を掴み、茂みに引き込もうとしました。あなたは当然、その手を外して逃げようとします。

レイプしようとするぐらいの男ですから、それぐらいでは収まりません。やはり後を追いかけてくるでしょう。

確かに手を外されただけで、諦める男もいるでしょうが、性的興奮状態で知性もかなり低くなっているまさに野獣と化した屈強な若い男性です。女性のあなたは走っても逃げ切れないかもしれません。

ところが、そういった暴漢まで考慮した手札を持っていたらどうでしょう? それが、相手を攻撃する技になります。

「自分は人を殴ったり、蹴ったりできる性格ではない」といって、みすみす体を差し出す予定の人は読む必要はありません。

相手を痛めつけるという選択をする人は読み続けてください。ところで、男でも、安心はできませんよ。かなり確率は少ないけれど、屈強なホモの男性におかまを掘られたという話しはときどき耳にしますからね。

そんな場合、手を外す以外に、目潰し、掌底打ちなどの攻撃技を知っておくと、より相手をひるませることができます。その上、いざというときに出せるためには、何種類かのバリエーションをやっておく必要があります。

今回は、例として、手を外したてから、図のようにすぐに目潰しを入れます。ここでのポイントですが、手を外す段階で、相手と目を合わさず、顎当たりに視線の中心を持っていき、ぼんやりと全体を見つつ、相手の目の位置がどこにあるか確認しておきます。この際、目玉は動かさず、視線の中心は飽くまで相手の顎です。

そしていきなり目を突きます。目は非常に弱いですから、軽くつくだけでもかなり効果があります。ですから、自分の手を引いて反動をつけてつくのではなく、手のある位置から、物を拾うときのように、すっと相手の目玉まで手を出していきましょう。

さらに、目玉に指が激突したら、掌の下の部分(掌底)で、相手の頬の皮を思い切り引き延ばすように押します。相手はたまらなくなってバランスをうしないます。基本的に人は、皮膚に垂直方向の力を感じるようになっているので、皮膚が伸びる方向に押されると力の計測が不可能になります。ですから、相手はあなたの力に対抗できません。

バランスを失って相手を押すと、相手は目が痛いのであなたを追いかけることができません。この時点で民家か、人のいるところまで逃げ込みましょう。先ず目つぶしをされただけも、かなり時間稼ぎができますし、連続技を受けたということで、あなたは只ものではないという印象を相手に与え、より気力が萎えます。

目つぶしの後に、掌底で相手を押し倒すというのは、単に相手にあなたの技が優れているというのを見せるだけではなく、万が一、目つぶしが失敗したときの次の動作がここに含まれています。目に当たらなくても、ひきなり皮膚を伸ばすように引っ張られると、不意をつかれ確実にバランスを失います。この時点で、もう片方の手で、目つぶしのダメ押しをすれば、暴漢は、逆に恐怖を感じるでしょう。

そういった意味で、このような連続技は有効になります。これが護身術での手札の使い方です。だから手札は多い方がいい!

稽古では目潰しを実際にできませんから、頬の皮膚を取る場合は、掌底打ちの稽古をしておく必要があります。以下の例は顎に掌底打ちを打ち込む図ですが、掌底で相手の頬を押し出す稽古をしているとどれだけ効くかがわかりますので、是非、パートナーに無理を言って稽古台になってもらってください。

 

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【手元のカードは沢山持とう!】

皆さん、こんにちは!
お元気ですか? 僕はすこぶる元気です。
さて、先ほどまで、泉忠司氏、佐藤文昭氏共著の『ビリオネア・テンプレート』という書物についていたDVDを見ていました。その中で、ビジネスの極意として、「自分が売ろうとするものは、決して売れるはずがないというところから出発しないといけない」という話しがありました。

売れないから、「ではどうして売るか?」という発想になる。そうして、「いいものだから売れるだろう」という安直な甘い考えを抜きにして、売るための様々なアイデアを出して、最も売れる方法と戦略を何種類も考え、ビジネスシーンに合わせて行うから、ビジネスで成功するのだそうです。

なるほど! ビジネスでも、護身術や合気道と同じような考えを持つんだなぁと思いました。私も師匠から、当て身という打撃系の技をたくさん教わりました。一般的には、当て身は、合気道では補助的なあるいはツナギ的な意味があると一般に話されます。要するに当てが逆らったとき、軽く打撃を加えるだけで、相手の気がそれて技に移れるというものです。

ところが、私の師・井口師範は「当て身でも徹底的に鍛えないといけない」と、毎日岩を叩いていたそうです。そして井口師範の技術では、当て身の秘伝もたくさんあります。例えば、最近稽古している技術に、「陽の技法」「陰の技法」「核の気の技法」という名付けた技術があります。

これらの技術は当て身に衝撃力をプラスする技術なのですが、何種類もあるわけです。このように、合気道では、当て身一つをとっても、色々な秘伝が伝わっています。そして、それを使う僕たちが、どの技術を使うか選択するわけです。

これはカードゲームに例えることができるのではないでしょうか。場面場面で、様々なカードの中からその都度もっとも適切なものを選んで投入するように、私たちもできるだけ多くの手持ちのカード(合気道の技法)を持って、技を行うからこそ、相手に効く技ができるのです。

師は、「合気道の技は一期一会、それぞれ毎回、違っているのが当たり前、一つとして同じ技はないんや」とおっしゃいましたが、一つの正面打ち一教押さえという技を行っても、やり方は何通りもありますし、無ければなりません。

正しい形は一つではなく、沢山あるということです。要するに最悪を想定し、それぞれにあったカードを用意しておくことになります。「こういう場合はこのカード、ああいう場合はこのカード」と沢山のカードをもつことは大切です。しかも、優れたカード、要するにできるだけ本質的な技術として必要です。

【次に何をする? それが問題だ!】

【次に何をするか? それが問題だ!】
こんにちは! お元気ですか? 僕はメチャ元気です!

護身術といえば、手首を握られたら、「すぐに手を外す方法」というのを教えます。合気道をしている人も護身術といえば、その方法を教えることが多いでしょう。

ところが、手を外す方法が上手く行くのは、かなり限られた場合であるということを理解しておく必要があります。それは、あなたをどこかに連れていこうとした場合だけだということです。相手の目的があなたに暴力を加えることにある場合は、全く逆効果になることがあります。

僕が小学3年生の時に、近所に小学6年のS君という悪ガキがいました。弱いものを見ると必ず暴力をふるうというガキ大将でした。ある日僕が学校の帰り道を歩いているとたまたま藪で何かをしていて、そこから出てきたS君がと出会ってしまいました。

普通は、僕たちの地域の子供はS君が怖いので2,30メートルは離れるようにしていて、絶対に近づかないようにしていました。でも、5メートルぐらいのところから、いきなりガサガサと藪をわって出て来て、僕を見たと思ったら、逃げるまもなくS君に捕まってしまいました。

僕の父親は警察官でしたので、逮捕術をやっていたので、手の外し方を教えてくれていました。それで、上手く手を外して逃げようとしたのですが、相手は小学6年生で、走っても逃げられるわけがありません。すぐに捕まって何発か殴られ、鼻血をだしながら家に帰りました。

ですから、相手が暴力を加えようと捕まえに来たとき、ただ握られた手を外すだけでは護身になりません。ですから、次にどういう行動をするか知っておく必要があります。

そういう知識があって初めて次の行動ができます。襲われてから考えれば何とかなるというのは間違いです。
①手を捕まれたら、大声を出す。
②手を技術を使って外す。
③相手に攻撃を加える
④逃げる
ということをシミュレーションしておく必要があります。

①では女性であれば「キャー、殺される!」と声を上げれば、気の弱い男であれば慌ててにげるでしょう。
②それでも手を離さなければ、図のように肘を相手に思い切り押し出します。そうすれば外れます。

 

外す時の手首のポイントは下図を参照してください。また、肘を前に出す際は、肘だけを動かそうとせず自分の肩が前に行くようにします。

そして、手を外したら、すぐに相手に攻撃を加えます。攻撃は前回説明した目を狙ったり、靴だ相手の脛を思い切り蹴ります。脛を蹴るのは一度ではなく何度も蹴る方が効果的です。そしてすぐに逃げましょう。

最悪のケースは、相手が悪質な人間である場合、暴漢でありながらも、医者に診断書をねつ造してもらって、被害届をだして警察に逮捕させようとするので、とにかくその現場から離れましょう。

 

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【攻撃なしで簡単に暴漢に対処する方法などない!】

皆さん、こんにちは!
お元気ですか? 僕はすこぶる元気です!

護身を考える上で一番必要なのは攻撃ができるかということです。ですから、まず最初に覚えるべきことは攻撃技です。しかも大切なのは相手の弱点を責める攻撃技を覚えておくことが特に力の弱い人には必要です。

ところで、護身術を教えていてよく言われることがあります。それは、特に女性に多いのですが、
「私は暴力は好きではありません。人を殴ったり蹴ったりすることは心理的抵抗があります。簡単に暴漢を制する方法を一つだけでいいので教えてほしいです」

正直に言って、世の中に、殆ど稽古もしないでただ方法を教えてもらっただけでどんな暴漢にでも簡単に対処できるような技はないと僕は断言できます。

己より力の勝る暴漢に攻撃一つせず抑え込めるような技術をもっているというと達人以外いません。しかも達人というのはは臨機応変に技を駆使して相手を制します。ですから、一つの方法だけでオールマイティに対処するということは達人以上である必要があるわけです。このように理詰めで考えると、そのようなことが稽古をほとんど積まず方法だけを聞いてできると思うのはかなり非常識とわかると思います。

ところが、暴漢に襲われた経験もなく、取っ組み合いの格闘の経験もないと、ついそのように考えてしまいます。頭で考えてああすればいい、こうすればいいというのと、実際の場面ではかなりギャップがあります。経験もないことは人間には想像ができないのです。

それはともかくとして、力の弱い人が使える攻撃技でかなり効果がある方法は、目突きではないでしょうか。目突きといっても、漫画でよく出てくるようにピースして両目を突くというようなことはしません。指は非常に弱いので、もし骨に当たったら突き指をしたり骨折する恐れがあるからです。

図のように指さきを一直線になるようにそろえて、片目を突きます。出来れば掌は少し丸くしておくと、骨に当たったときにさらに突き指をする恐れが少なくなります。通常は目を突かれると殆ど戦意をなくしてしまいます。その隙に逃走するのがベストでしょう。

相手の目に当てるポイントは、相手に悟られずに突くことです。そのため、相手の目を見ずに、ターゲットにさっと当てられるように稽古しておく必要があります。

なお、非常に効果的ではありますが、相手の目をつぶしてしまう恐れがありますので、犯罪者にならないよう、身に危険が迫ったときなど使用には十分気を付けて下さい。

 

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【武器で襲ってきたら?】

皆さん、こんにちは!
お元気ですか? 今日も僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は暴漢が武器を持って襲ってきたらということについて話したいと思います。そんなときは、ズバリ「相手の目と武器を見るな!」です。

実は、先日、地方自治体から依頼を受けて補助金などの給付が適切かどうか調査する調査員の仕事をされている60歳の女性からの依頼で、護身術の指導の依頼を受けました。

この仕事は直接該当者と面談をする仕事なので、暴力を受ける恐れがあって非常に危険だそうです。そのため地方自治体は外部に外注するそうです。

それで、1カ月ほど前に当会の稽古に体験で参加され、そのとき教えた、体の捌き方がすぐに役立ったということで、今回から指導することになりました。

というのは、相手が交渉が思い通りいかないことに、逆上してハサミを持って刺そうとしたそうです。そのとき、当会での稽古したことが咄嗟にでて、捌くことができたそうです。傍にいた別の調査員が、あまりにも鮮やかに驚いていたとのことです。

その稽古というのは、バットで思い切り叩いてくるのを避けるという稽古です。バットといっても、百均の柔らかいバットなので、新聞紙で作ったハリセンで叩かれたほども痛くありません。でも叩かれると悔しいから皆さん必死になります。

もしその動作を学んでなかったら、刺されていただろうということでした。本当に役に立ってよかったと思いました。こういう話しを聞くと護身術教室をしていて本当によかったと感じます。

ところで、護身術では、相手が武器で攻撃してくる場合、まず大切なのが自分の情報を相手に流さない事です。そのため、相手の目や相手の武器を見ない。これが非常に大切です。

とはいっても、視界には入れておく必要があります。そのため、自分の視線の中心に相手の顔や相手の武器を置かず、相手の体全体を平等に見ると、できれば視界に入ってくるすべてを見れるとなお良いです。

視線を合わさないと相手は、こちらが次に何をするかという判断つきません。そうすると、相手は単調な攻撃を仕掛けてきます。単なる心理の駆け引きですが護身術ではこういった技術も大切です。

この様に、ちょっと護身の技術を知っているだけで、万が一の場合に役立つのです。「今まで、そんな危険なことにあったことがないから、きっと一生そんな目に遭うことはない」というのが多くの人の考えだと思います。

しかし、日本にいて、そういう危険な目に遭うことのない人はかなり少ないのかもしれません。でも、僕は、合気道で健康になる前はとても痩せていて見た目から弱そうだったので、知らない人から恐喝されることがよくありました。

世の中ちょっと視点を変えたり、立場が変わると、あなたの傍にもそういうことが転がっているのです。

転ばぬ先の杖。護身術はこれからも本当に大切だと僕は考えています。

 

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【スポーツ科学と東洋武道3】まるでテレポート!合気道の推進法

こんにちは! お元気ですか? 僕はメチャ元気です!

さて、前回は静から動に瞬時に移り変わる技術として、寸勁という技術が中国拳法にあり、それと類似した技術が、合気道の当て身の技術の中にもがあるという話をしました。今回は、中国拳法ではなく、合気道の移動方法で足の筋肉のバネを使わず移動する方法にについて話したいと思います。

再三、東洋の武道的な身体は、静から動への移り変わりがスムーズで、一瞬で行われるということをお話ししていますが、それを実際に合気道ではどう実現するかということを説明します。

西洋の格闘技、例えばボクシングでは、フットワークを軽快に、常に左右の足のバネを使って忙しく動ています。このような動きは「動から動」の動きといえます。一方、合気道の場合は、相手との距離(間合いは約2メートル)を十分にとり、静かに立って相手と相対しますので、「静から動」の動きです。

では具体的に合気道ではその距離を詰める場合どうするのでしょうか。合気道では、身体の軸を図のように前に傾けます。すると、倒れそうになるので、その際バランスを取るために足が前に出ます。しかもその際は、かなり勢いができているので、前進することができます。

そして、さらに合気道では前の足が着地した時点で、体の加速をすぐに止めないように、後ろ足になる足を継ぎ足といって前足の方に引き寄せます。そうすることで、ジャンプ力を使わずかなりの距離が移動できます。

つい後ろ足に溜めを作ってそれからジャンプしてしまいますので、体に身に付くまで何度でも、体を傾けて前進する稽古をする必要があります。

このやり方でポイントになることは、腿裏(ももうら)の筋肉を緊張させて骨盤と上半身が一体化することです。そうすることで、身体を傾斜したときに、すぐさ頭まで伝わり、早く加速することができます。

このように、東洋の身体の使い方は西洋の身体の使い方とちがった科学があります。このようによくよく分析してみると、正しく効率的な使い方をしているのがわかると思います。ですから、一般的なスポーツ科学と視点が違うだけで、非常に科学的なわけです。

また静から動への変化は武道的な大きなメリットがあります。それは、相手にとって始動の時期が読めないことです。そらに情報遮断の別の秘伝と併用すれば、まるでテレポートしたみたいに相手は一瞬で自分の前に来たような錯覚が起こります。

ですから、合気道に興味がない人でも、護身に関心があるなら、合気道の移動方法はどうしても押さえておきたい一つです。

 

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【スポーツ科学と東洋の武道2】パンチについて

こんにちは! お元気ですか? 僕はメチャ元気です!

さて、前回は合気道や中国武術での身体の使い方は、西洋的なスポーツ科学の理想的な身体の使い方と比べると、かなり違うと述べました。今回は東洋の武道的な身体を使った動きの例を述べたいと思います。本日はパンチについて話したいと思います。

東洋の武道的な身体は、静から動への移り変わりがスムーズで、一瞬で行われるという話しをしましたが、少し中国拳法でいい資料がありましたので見ていきたいと思います。

中国拳法で、静から動への瞬時の移り変わりといえば、先ず寸勁(ワンインチパンチ)という打撃法が良い例となるでしょう。寸勁とは、ターゲットとの距離が3センチぐらいで打ち込む打撃方法であり、場合によっては接触している状態でパンチを打ちこむこともあります。

常識から考えるなら、ボクシングのように遠くからパンチを出した方が効果があるように思います。ところが、この寸勁では、暗勁という特殊な打撃法を併用すれば相手を一瞬で死に至らしめる威力があります。これは静から動に一瞬で切り換える技術があるからなされるわけです。

下の写真が寸勁打法で打った高速撮影の写真です。この様に中国拳法では、恐るべき技が連綿と伝わっています。写真を見ると寸勁打法の強烈さが分かると思います。ちなみに下の写真は陳家太極拳の故・龍清剛老師の寸勁打法です。

また、実は、寸勁ほどの強烈なパワーはないものの、合気道の当て身にも、似たような技術が伝わっています。井口師範は「体のもっとも奥にある気で打つ」と言われた方法です。

当会では「核の気の打撃法」といっている技法です。これは一見ボクシングでは役に立たないといわれる「手打ち」に見えますが、これで打たれるとかなりの衝撃があります。

当会に所属している元極真カラテ、キックボクシング経験者のIさんが体験稽古に来た時に、打撃の話になり、本の軽くこの「核の気の打撃法」を胸の肩側に試みたところ、翌日から2,3日腕が上がらなかったといっています。

そのIさんはそのときの衝撃に感動し、当会に入ることになったそうですが、そのIさんはことあるごとに「核の気」のトレーニングをしているそうで、今や「核の気の打撃法」ではパワーは当会で随一というところまでなっています。あと、Iさんは「落とす」ということができれば、殺人的なパンチがでるようになるでしょう。

このような特別な打撃法は、地道な東洋的な身体を作るトレーニングが必要です。そのトレーニングの一つとして、中国拳法では立禅を行い、それによって特別な体の使い方を体に叩き込みます。

実は、合気道でも、立禅に相応する訓練もあります。船漕ぎ運動と振り魂というセットで行う「天の鳥船の行」と呼ばれる日本古来の神道の禊ぎの行がそれです。下の写真が合気道の開祖が行っている写真で、左が船漕ぎ運動、右が振り魂です。

このように東洋の身体の使い方には意味があり、西洋のスポーツ科学の一般解釈では解き明かせない秘密があります。だからこそ、簡単には動きが相手には理解できないのです。だから、体格・腕力・運動神経などが劣る人の護身には持ってこいということになっています。

次回は、骨盤の後傾させ、腿裏の筋肉を緊張させる理由について話したいと思います。
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【スポーツ科学と東洋の武道】

こんにちは! お元気ですか? 僕はかなり元気です!

さて、前回は合気道と中国武術の共通性について書きましたが、実は西洋的なスポーツ科学の目で見た場合、合気道の身体も中国拳法の身体もかなり問題があります。でもそれにはその理由があります。今回その理由を明確にしていきたいと思います。

西洋的に考えると、いい姿勢というのは背骨がきれいなS字を描いていて、骨盤が前傾しヒップアップした姿勢がいい姿勢です。理論的には、俊敏なフットワークを実現するためにも、太ももの裏の筋肉はリラックスしていつでも働くことができるよう骨盤が前傾している必要があります。

図の女性は背骨がきれいなS字カーブを描いていて、骨盤は前傾しヒップアップしていて、非常に魅力的で、綺麗な姿勢にみえます。これが西洋的には多分理想的なのでしょう。

一方、スポーツ科学からみると、合気道の身体も中国拳法の身体も、収臀堤肛により骨盤が後傾すると常に太ももの裏の筋肉が緊張しているため、すぐに筋肉が発動しないため、瞬発力や足腰のバネが犠牲になり、しなやかな動きができず、非常によくないということになっています。

また、ジャンプによる上下の跳躍運動では、S字を描いていると上下の力は脊椎がバネのように力を分散する。一方、骨盤後傾の脊椎がストレートになっている身体では、跳躍運動際には直接上下のダメージがあり、圧迫骨折の危険性もある。

以上から、西洋医学やスポーツ科学では一般的に骨盤の後傾はよくないということになっています。しかしそれは西洋的な体の使い方と東洋的な体の使い方と考え方の違いであり、西洋的な考えとは異なる身体運用法で東洋の武術の動きができているのです。

確かに、ボクシングのフットワークのように飛んだり跳ねたりする動きでは、骨盤は前傾して、バネを確保しておく必要があります。しかし、東洋的な動きの場合は飛んだり跳ねたりというような変化の中に変化を入れるということじゃなく、静から動へ瞬間的に移る動きが基本になっている訳です。

武道や武術は元々ルールの無いところから出てきたものなのです。相手が凶器で何を持っているか分からない状況のなか、相手との距離(間合い)は、現在行われている試合に比べて遥かに遠くとります。

それで、その距離を瞬時に詰めるためには、静から動に一瞬で移れる技術が必要です。ですから、身体の使い方がスポーツ全般で使うスポーツ科学で推奨されているものと東洋の武道の身体の使い方は根本的に違うわけです。

また、正々堂々とルールの元で戦う場合、体格差や運動能力がもろに影響がでます。ですからボクシングには階級があります。

一方、身術では、相手がどんな力の強い人であるかわかりません。要するに階級があるはずがないわけですから、それに対抗できる技術が必要です。そう考えるとやはり東洋的な体の使い方を用いる東洋的な考えの方が護身術には合っています。

次回では、東洋的な身体の使い方でどんなことを可能にしているかを述べたいと思います。

 

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