手首取りの技の意義について14

みなさん!
こんにちは、お元気ですか? 僕はめちゃ元気です!
さて、手首取りの技の意義について今回で14回目となりました。前回は自分の「内殻の気」を利用して、「外殻の気」を相手との接点に集めない方法を述べました。

さらに今回は相手の「内殻の気」をコントロールする方法について述べたいと思います。といいますか、実は前回で、実は相手の「内殻の気」をコントロールする方法は述べているのです。

というのは、自分の「手を張り、指を開く」ことで自分の「内殻の気」を指先に集めたといいましたが、実は「手を張る」ことで、自分の「内殻の気」が手首を伝って手先に集まるときに相手の「内殻の気」が遮断されているのです。そのため、相手が非常に敏感な人なら、急に握力が抜かれた感覚を感じているはずです。

そこで、ちょっとした実験をしてみたいと思います。道具は一切いりません。人もいりません。一人でできますが、ただ両手が使える必要はありますので、怪我などされている方には申し訳ありませんがご了承ください。

では実験です。先ず、右手首を左手でつかんでください。そして右手を開いて張る訳ですが、「内殻の気」の流れが手首から指先に流れるというのを意識して、手を張って下さい。そうすると、右手首が太くなったような左手の握力が出しにくいような感覚がでませんか?

これが自分の「内殻の気」による相手の「内殻の気」の遮断です。これを座り技呼吸法のときにやると、相手はあなたに逆らえなくなり、簡単に倒れます。実は「内殻の気」が遮断されると腕力も入りにくくなるのです。

この「内殻の気」の遮断の威力は予想以上のものがあります。この効果が分かれば技も非常に面白くなるので。当会に所属している非常に熱心な会員が入門前に体験した話をしましょう。

彼はかなりがっしりした筋肉体系の男性で、ボクシング経験者ということで当会にこられました。そのとき、私は彼とボクシングのスパーリングをして完全制圧し、そして、当会の技は力を使わない技術なのでその証拠にと、彼よりも一回りは小さい女性と力比べをしてもらいました。

力比べというのは、その女性との座り技呼吸法を体験してもらったのです。私も彼に比べると体格的には随分と不利だとは思ったのですが、ここでもっと印象を焼き付けておこうと、彼女にやってもらったのです。筋肉質の彼がどんなに必死で彼女を押し倒そうとしても、簡単にコロンと倒されます。何度挑戦しても結果は同じでした。ということで、彼はめでたく入門してくれました。

未だに、彼はその時の驚きを口にします。やはり当会に入門した一番の切っ掛けはやはり彼女にどんなに力を出しても押し倒された驚きだったそうです。こんなことがあるんだと驚いたそうです。

実は、この女性はそれよりも随分前に座り技呼吸法で二人ほど、合気道歴十年以上のベテランと対決し、取りでも受けでも相手を制圧していました。ですから、この張りを使って「内殻の気」を使えると非常に強い味方になるというのがわかったと思います。