手首取りの技の意義について15

みなさん!
こんにちは、お元気ですか? 僕はめちゃ元気です!
さて、手首取りの技の意義について今回で15回目となりました。前回は「内殻の気」で相手の「内殻の気」もコントロールできるということをお話ししました。「内殻の気」を遮断すると相手は思うように力が出せなくなるということでした。

手首取りの技もかなりの技術が濃縮されているというのが分かったと思います。このように合気道の技というのは、二重、三重と何重にも様々な技術が含まれていて、一体どの技術を使われたのか分からなくなるようになっています。そのため、達人が行う技は全く検討がつかない訳です。

今回は「外殻の気」の利用についてお話ししましょう。「外殻の気」の利用は、片手取り回転投げなどの片手取り一教系の技術と一旦取られた手を切る片手取り小手返し系の技術の2つが代表的なものになるでしょう。

「外殻の気」については実際に技を通じて体験しないとわからない面があります。というのは「外殻の気」の利用は、当会では「火の技術」に属し、別名「皮膚感覚の技術」と呼ぶもので、かなり感覚的なものなのです。ですので、文章上の説明ではその感覚を伝えることができないので、知識としてお読み頂ければと思います。

心理学で説明すると、「生理学的に相手の注意をそらせて、運動エネルギーを使って予想外の方向に相手のを導く」というものになります。学問で言うとそうなんですが、かなり感覚に頼る部分がおおきいので、桃の味を知らない人に桃の味を説明できないように、やはりその感覚を知らない人にはできなものです。

ですので、今回は分かりやすくするため、持たれた手を切る片手取り小手返し投げの技で説明していきます。尚、当会のやり方での説明になるため、途中当て身が入りますが、悪しからずご了承ください。

また、実際は手首を取らせますが、表現としては「捕まれた」と一般的な書き方に合わせて書いています。なお、文字数が多くなるので詳細の説明は次回ということで、動きだけ説明しておきますので、読者の皆さんの宿題としますので、どこで「外殻の気」をとっているのか少しご自分で考えてください。

そのヒントとして、「外殻の気」を捕らえる際は決して「内殻の気」に影響させないというのが原則です。あまり強くすると「内殻の気」に影響がでますし、自分の「外殻の気」が集まり相手に動きがばれてしまいます。

では小手返し投げの説明をしておきます。

①先ず、左手首を相手の右手で捕まれた場合、己の右手で相手の顔面に当て身を入れる。
②すかさずその右手で相手の皮膚の表面を撫でるように、相手の前腕に沿わせるとともに、左手を相手の右手から抜き取ります。
③沿わせた右手をそのままにして、左手で上から相手の手を小手返しをしやすい位置で軽く抑えます。それと同時に、左足を軸に相手に対して横になるように転換し、相手の手をつかみます。
④さらに逆ターンすると同時に小手返しを効かせ投げます。