【軸を意識する】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
合気道では、自分の中心軸を意識することが非常に大切です。

しかし、ただ軸を意識しているだけではだめです。

ただ立っているときは、体の正中心を通って軸が形成されていますが、合気道では、技をかける際に常に直立に立っている状態というのは、非常に不自由です。

そうした変化したとき軸をどう考えるかというのも大切です。

そこで今日は軸について考えていきましょう。

 


軸を安定させるとは?

 

合気道でも、柔道でも、投げ技の共通するポイントというと、相手の軸を崩すことじゃないでしょうか?

そこで、相手の軸を崩すというのはどういう現象かということをはっきりしておく必要があります。

合気道も柔道も、投げを行うには、相手の足元から、要するに足底をもとに体を揺さぶって、中心軸を斜めに倒す必要があります。

一方、常に自分の軸を常に鉛直方向に保っている相手だと投げを行うものは非常に困難になります。

そこで、合気道の場合は、引かれれば前に進みます。

また、片手で押されれば、相手の接点の近くを円の中心にしてまわり込み、両手で押されれば、片手の接点の近くを円の中心にして回り込みます。

この円の中心が非常に大切です。何故なら、後ろに下がると、自分の気がでなくなるからです。

気が出なくなると、相手に気圧されて技が出せなくなります。気で負けてしまうわけです。

 


軸を意識すると

軸を意識すると、ただ倒れ難くなるだけでなく、上方向からくる相手の力を自分の軸を使って地面に流すこともできるようになります。

これが上手くできると、上から乗っかるように抑えられていても、手を挙げていくことができます。

何故なら、相手が抑え込んだ時点が一番体重がのる状態で、安定して力の入る状態を作っていますが、少し支点がずれるだけで、バランスを無くし、ただ相手に支えられている状態になるからです。

ですから、最低限の力は必要です。相手の体重と同じぐらいの人形が倒れているとして、その人形を立てるぐらいの力、要するに、相手の体重の半分を支える筋力は必要ということです。

 

 

 

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【超能力開発より科学的思考の方が早道】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

合気道をしている人の中には、神通力や超能力を求める人がいると聞きます。

しかし、それによって、画期的な技を身に付けたという人はそんなに多くないようです。

僕も一時期は超能力獲得に躍起になったその一人です。

しかし、結果的には科学的思考を持つ方が技がより上達しました。

 

 


合気道と神通力

 

合気道の開祖・植芝盛平翁先生は神通力、いわゆる超能力の持ち主だったと言われています。

井口師範にもそういった不思議な面がありました。

あるとき、「気とは何でしょうか?」という質問に、後ろから木剣で打ってくるようにといわれ、木剣を頭目掛けて打ち下ろすと、見なくてもその動作に合わせてスーッと木剣を避けられました。

そのタイミングが絶妙なので、僕はバランスを崩し、吹っ飛んでしまいました。

僕の気が井口師範に合気されたわけです。いわゆる合気投げです。

 


技の獲得は科学的思考の方が早い

 

 

僕もそういった神通力が欲しいと思いました。

そこで、合気道の稽古の際する禊ぎの行である天の鳥船の行をひたすら何年も稽古しました。

ある日、振り魂をしていると、地面から頭まで貫く軸が感じられるようになり、その軸は天まで届くような意識になったことがあります。

その時、地面から気の玉が軸に沿って上がってきて、下丹田に収まり、上空からは、気の玉が軸に沿って下りてきて、中丹田に収まり、さらにもう一つ折りてきて、上丹田に収まった感覚を感じました。

その時の感覚は下図のような感じです。

気と言っても、下丹田に収まった気はまだエネルギー感が若干はありましたが、上空からの気はエネルギーというようなものではなく、感じるか感じないかというレベルで、「ふんわり」とした空気のようなものでした。

ですから、禅で言ういわゆる魔境のようなものだったかもしれません。

それ以降は、正坐した状態で手を上から抑えられると、その軸を通じて地面に相手の力を流すと、手が勝手に挙がるようにになりましたが、それだけで、これと言った奇跡も神通力も体験することがありませんでした。

この手を挙げる動作というのは、全然超能力でも何でもありません。

適切な指導者のもと、軸を意識し、地面に相手の力を逃がすという感覚の感じ方を教われば誰でもできるものです。

ですから、何年もかけてやる価値があるものでもありませんし、ましてや神秘でも何でもありません。

結局、翁先生にしても、井口師範にしても、戦地での戦争体験が非常に大きと思います。

だから、平和の時代での武道に使える超能力を開発は難しいのではないでしょうか。

そのために浪費する時間より、技のもっとも科学的な見地から稽古方法を探す方がよっぽどよかったのではないかと今は考えています。

 

 

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【時間を止めて正面打ちを受ける】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
時間を止めるという技術は如何でしたか?

何となくわかったような、分からないような?

というのは、「実際に技に組み込む場合どう組み込むのか分からない」という点でしょう。
今回は相半身で正面打ちを受ける場合について話そうと思います。

というのは相半身で正面打ちを受ける際に、後ろにある脚を前に踏み出すため、体の角度を変える必要がありますが、そのタイミングが大切で、闇雲にこの動作を行うと相手を導くことができないからです。

 


間合いは常に意識が必要

 

合気道では手刀を相手の眉間を目掛けて打ち込む当て身(打撃技)を正面打ちといいます。

ちなみに、師匠によれば、手刀は合気道では「てがたな」と読み、「しゅとう」と読むのは空手だそうです。

間合いというのは相手との距離の事を言います。

Youtubで、合気道の正面打ちの技を見ると、礼から始まった技で、間合いを意識しながら技を行っている道場と、間合いを殆ど意識せず技を行う道場とあるようですが、護身術として使うことを前提にするなら、常に相手との間合いを意識して技の稽古をする必要があります。

形稽古は、礼の前からその形の稽古が始まっていると考え、礼をする前から相手の動作を観察しておく必要があります。

次に、相手と相対するときは、相手と間合いは畳1枚を挟んだ分、要するに約2メートル取るように指導されました。

この距離は相手が例え刃物を隠していてもすぐには刺せない距離で、相手の動きにすぐに対応できる距離です。

 


体が変えるタイミングは案外早い

 

説明の都合上、左半身で相対している場合を想定します。

相手と畳一枚分を隔てて相半身で相手と相対すると、相手がモーションを起こすと同時に、右胸を前に突き出すようにして前にある左足に体重が乗るようにしつつ、右腰骨を左腰骨より前進するようにします。

このタイミングでもう既に体を変えているわけです。

それ以降は、相手に対する体の角度を変えません。

体の角度が決まっていると、もう右足の出る方向が決まっているように感じる人がいるかもしれません。

しかし、この段階で大切なのは、後ろにある右足を右斜めにも、左斜めにも出せるようなバランスを取ることです。

そして、相手が正面打ちをしてくる際、相手の手刀を迎えに行くように手を出します。

この際、肘の伸展を出来る限り使わないのがポイントです。

こうした念の入った下準備をしているからこそ、攻め込んだ相手は、突然手が頭上に現れたように感じてしまいます。

この動作にもまだ何点かの注意点は存在しますが、小さい点まで述べると余計複雑になるので、ここでは述べません。

 

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【時を止める動きを作る】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、「合気と気合」の話から始まった記事だが、「時間を止める」記事でようやく、話の筋が一つにまとまってきました。

今回は、静から動へ移るときの「気合」の大切さを話したいと思います。

 


師匠の教え

 

 

師匠である井口師範は、以下のことをおっしゃいました。

「曰く、話は簡単! 時間を止めるには静が大切。時間を止めるのは、相手と相対(あいたい)した静の時から始まっとるんや。これが相手への合わせや。それから、時間を止め、気合一閃、動で相手に入り身するだけ。でもな、そのときの心と体は静のままや」

合気道における入り身というのは、相手の最も不利な位置に一気に体捌きすることを意味します。

師匠のこの言葉を、ステップごとに表すと以下のようになります。

  1. 情報遮断の技術で相手にこちらの動きを読めなくする
  2. 相手の動き、リズムに心を合わせ、相手を観察する
  3. 相手の間合いが制すべき一点の位置になるのを待つ
  4. そのタイミングがきたら、心と体の静を保ったまま、日ごろの稽古で気合を使って条件付けされた身体の条件反射を使って入り身で移動

静とは、ただと待っているだけではなく、今まさに動ける状態を作って、動くべき時期を待つ状態だったのです。

二代目吉祥丸道主が合気道は、止まった独楽(こま)という例えをされたことがありますが、まさにこの静の状態がそういうことを言っているのだと思います。

その状態は、心を研ぎ澄ませ、体全体に気を張り詰め、いつ相手が制するべき間合いに達するかを観察し、心と体の静を保って、そのタイミングで、入り身一足で移動する準備ができた状態です。

 


気合の科学

 

 

大切なポイントですが、入り身をするときは、スーッと移動しないといけません。

タメを作って移動しようとした時点で、そのタメをつくる動作が相手の周辺視野のスイッチを入れ、相手の心にリセットがかかります。

ですから、中心視野優位状態の内に、瞬間に入り身という動作を起こす必要があります。

そのために日ごろから、動作を起こす瞬間に気合を入れて稽古する必要があります。

しかも、単に気合をいれるだけではいけません。

そのタイミングが命です。

気合の発声は「イエイッ」や「エイッ」でよいので、最後の「イッ」と言ったタイミングで入り身が起こるように発声する必要があります。

それにより身体に条件反射を形成しておくのです。

そうすれば、発声がなくても頭の中で気合を発するだけで体が動くようになります。

気合の入れ方にすら正しいやり方があったということです。

合気道修行者は、少し気合に関して考え直してみてはどうでしょうか?

 

 

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【時を止める】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

井口師範の入り身は非常に不思議でした。

例えば、井口師範に正面打ちを行ったとき、突然井口師範が眼前から忽然と消えるのです。

ところが、周りから技の様子を見ていると、井口師範の動きはそんなに速いわけではありません。

ある時、井口師範にその理由を聞いてみました。

「時間を止めるんや」

「???」

もう人間の領域を超えた答えです。ジョジョの冒険の世界の話のようです。

そんな超能力持ってみたいと誰でも思いますよね。

ところが超能力じゃなかった。ちゃんと科学的根拠があったのです。

今日はその理屈を話します。

 


中心視野を使わせる

 

 

人間の視野には2つあり、それは中心視野と周辺視野です。

中心視野の役目は観察にあり、周辺視野の役目は索敵にあります。

中心視野は静止したものを観察するのに適していて、周辺視野は動体の検知に適しています。

そして、中心視野が優位になると、自分を静止させ、観察しようとしてしまうのです。

僕は若いころ絵の勉強をしました。それでデッサンをやった訳ですが、対象物を観察しようとすればするほど、視野が狭くなるということを経験しました。

要するに中心視野だけをはたらかせていたわけです。

「時間を止める」というのは、この中心視野の性質を利用します。

 

以前に攻撃の三角という話をしました。

狙いを定めると、体がロック状態になり、攻撃動作が終了するまでそのロックが解除されないというこの状況のことです。

「時間を止める」というのは、実はこの攻撃の三角が形成される瞬間に、相手の中心視野をより優位にさせ、周辺視野をはたらかせなくする技術といえます。

 


中心視野を優位に導く

 

理屈では、「時間を止める」技術は可能であることが分かったと思います。

では、実際、合気道では一体どうやってそういうことを実現しているのでしょうか。

それは、静から動へと変化する合気道独自のスタイルが関係しています。

動きを起こさず、さらに相手への情報も絶つと、相手はよりこちらを観察しようとします。

これにより、相手が中心視野優位に導くわけです。

そして、相手が攻撃の三角を形成した瞬間に、体の角度を変えずに、間髪を入れずに、タメを使わず移動します。

その際、大切なのは、足以外の自分の体は、静止した状態を維持するこです。

何故なら、体に変化を起こせば、周辺視野が働くからです。

なお、相手が中心視野優位になっていると視野が狭いため足まで気がいきません。

「時間が止まっている」と思い込むことで、よりその状態を作り出せます。

 


「時間を止める」というのは、心法、要するに心理学なので、理論的には誰にでもできることですが、実際に使うのはかなり敷居が高い技術です。

 

 

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【視点が違うから発想が違う】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今回は、武道での、西洋的な動きと東洋的な動きの発想の違いを述べ、合気道での稽古をするうえでの方向性を話したいと思います。

僕たちは幼少のころから、テレビ中継などでボクシングなど西洋の格闘技の動きをずっと見て育っているわけです。

そんな中、僕たちの頭の中には、知らず知らずの内に、西洋式の動き方がインプットされています。

ところが、合気道はこれとは全く別物なのです。

当会では合気道ベースの護身術を伝授しているため、合気道の動きに従っています。

ですから、合気道の動きを考えるうえで、西洋式な考えを適用することはできません。

 


 

合気道の動きと西洋の動き

 

 

 

例えば、相手があなたに攻撃してくる素振りがあった場合、あなたはどうするでしょう。

あなたは殴られまいとして、何らかの動きを起こすでしょう。

ところが、合気道では、そういった気配をできる限り生み出さないよう「気をださない」ということを行います。

要するに、動作前にタメを作るとかせず、いきなりゼロから動作を起こします。

開祖は「わしはただ立っておればよい」と言われたように、合気道は静から動へと変化を起こす武道です。

一方、ボクシングを代表とする西洋の格闘技などでは、動で、フェイトなどを組み合わせて、相手を幻惑し、相手を制圧します。

別にどちらが優れているというものではありませんが、まったく考え方違うため、違った視点で考える必要があります。

現在は、テレビ放送などで、西洋の動きが幼少のころから頭に入っている分、どうしても動から物事を考えるのが日本人です。

そういう意味では、西洋の動きと合気道の動きは対極の思想にあると言えます。

 

 


静から動へ

 

 

 

合気道では、静止した状態を如何に瞬間に動く状態に持っていくかという点を考えた動き方をする必要があります。

例えば、西洋的な動きであれば、背骨を綺麗なS状にし、上下の運動を背骨で吸収し、それをバネに変えるよう、骨盤は前傾にするのが正解です。

一方、合気道は、西洋的なフットワークを行わず、静止した構えから技を行います。

そのため、背骨はできるだけまっすぐ立て、骨盤は後傾しすることで体全体を一つのものに統一し、体の傾斜を使って、瞬間に体を加速して、一瞬で動きを作ります。

実は、これを実現するため、足の三角の秘伝、時間静止の秘伝というものがあります。

時間静止といっても、実際に時間を止めるのではなく、そのように感じさせるということです。

基本的な考えは、如何に静から動への瞬間に移るかということですので、秘伝は公開できませんが、それぞれ読者の方が考えてくださればと思います。

 

 

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【見ざる、聞かざる、言わざる】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今日の話は【情報遮断】です。要するに「見ざる、聞かざる、言わざる」の実行です。

 

 


日本人は正々堂々で勝つことを望む

 

 

日本人の考えの中に、知らず知らずのうちに「正々堂々と勝つ」という考えがあるようです。

そのため、武器を持つことは卑怯とか、素手て相手を制するとかいう考えがあり、正々堂々と試合して勝つのがもっとも美しい勝ち方として、技比べについても、試合で勝つことを前提に話をすることが多いと思います。

2チャンネルなどでは、「合気道は一部の才能ある人だけが開花し、後の人は武道として殆ど役に立たない」という意見が圧倒的に多いようです。

その中では、「合気道が使えるなら、合気道した誰かがリングに上がって試合をするはすだが、合気道をしている人間は誰もリングにはあがらない」というものでした。

前回も、話しましたが、試合というのはルールを決めて、用意始めで始まるものです。

要するに正々堂々と勝負という考えのもと技を競い合うわけです。

ですから、お互い使う技は熟知した技の出し合いとなります。

スポーツとしては、技を比べるには非常に公平であるように思いますが、実は、生まれつき劣ったものがある人間にはかなり不公平です。

こういうルールだと、当然、体力、運動神経、体格の優れているものが勝つに決まっています。

試合というのは、体力、運動神経、体格の優れたものを選び出すものでしかありません。

確かに、体力は個人の努力である程度あげることができますが、それでも生まれ持った素質のある人には叶いません。ましてや、運動神経、体格はどんなに努力をしても生まれつき恵まれた人には敵うものではありません。

ですから、一般の武道や格闘技では、年齢が上がると試合から引退するという考えがでてきます。

 


合気道は情報を隠す

 

 

 

しかし、そのような考えでは、力の弱い人間は、暴漢から自分の身を守れません。

一方、合気道では、ルールある戦いを否定します。

そのため、古い合気道に属す合気道では、大切なポイントは、先ずは秘伝という倉の中にしまっておいて、一部の人間にしか伝授されません。

ですから、この秘伝の中にこそ、力の弱い人が、理不尽な暴漢から身を守る技術が含まれています。

この秘伝技術の中核になるコンセプトは、「相手に自分の情報を流さない」ということです。

要するに合気道では通常の戦いを放棄しています。

これは、「相手の土俵で戦わない」ということです。

自分にとって有利な状況、相手にとって不利な状況を創り出すことこそ力の弱い人間が、唯一、運動神経と体格を補う方法だと思います。

だから、合気道のこそ、護身術に向いているのです。

 

 

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【なぜ合気道には試合がないか】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は関東から来られた方の個人指導を行いました。

この方は2度目の訪問です。

5月の連休の時に中国拳法の大気拳をされている方の個人指導のことをブログで書きましたが、その人です。

個人指導の後、僕の時間が空いていたので、この方を和歌山駅までお送りしました。

その時、この方と雑談でき、どんな経緯で武道をされているのか聞くことができました。

そして私の学んだ合気道が、如何に中国拳法に近いかを実感することになりました。

そこには、合気道に試合がない理由にも通じるものがありました。

 


柔道から空手、そして大気拳へ

 

 

元々柔道が大好きで、長年柔道をしていたのですが、総合格闘技を見て、柔道だけではそういう人達とは戦えないと考え、空手を学んだそうです。

ところが、単純に、投げ技と固め技は柔道、打撃系は空手と考えていたそうですが、実際やってみると、非常に相性が悪い事に気づいたそうです。

その中で、大気拳という拳法の動きだと、非常に柔道の動きとしっくり合うということがわかり、今は大気拳を修業されているとのことです。

そして、このブログに行き着き、何故か当会の合気道が大気拳と非常に共通していると感じて、当会の個人指導を受けることにしたそうです。

 


合気道と中国拳法

 

一般のイメージとして、合気道と言えば関節技で相手を投げる武道、一方、中国拳法といえば拳や蹴りで相手と戦う武道ということじゃないでしょうか。

ところが、合気道で相手を捕えようとすると、やはり打撃を知っていなければ実は打撃を捕らえることなど不可能です。

そういった点から、打撃を捕らえる技術の部分だけをルーペ的に捕らえると、実は非常に拳法の技術に類似する共通点が見つかります。

ですから、僕が30代前半の時に、極真カラテを学びましたが、合気道をする上で、違和感は感じませんでした。

しかし、多分、僕が柔道をしていて、空手をするとかなり違和感を感じたと思います。

それは、空手の組手のルールでは、柔道の技術が完全に否定されているからです。

ですから、お互いを補完するというより、空手をすれば柔道の技術が邪魔になり、柔道をすれば空手の技術が邪魔になります。

合気道には組手やスパーリングが無く、一方、大気拳の組手にはルールがないそうです。

そうした中、ルールを利用して勝つという発想は生まれません。

すると、もっと本質的な技術の探求が必要になるわけです。

そこに、ルールがない試合をする武道と試合そのものをしない合気道の共通点が見えてきます。

 

合気道修行者は、合気道で試合がない理由から合気道の技に対する考え方を再検討してみてはどうでしょうか?

 

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【見ようとしてはいけない理由】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今日は、「こだわり」について話したいと思います。

武道に限らず、あらゆることで、「こだわりを捨てよ」とよく言われます。

 

特に護身術を行う上で、最も致命的なこだわりとして『よく見よう』と思ってしまうことです。

このよく見ようというこだわりは、目の使い方が十分に分かっていないからです。

今回はその原因について追及していきましょう。

 


見るということの科学

 

 

見るこだわりを取るため、見るということ、特に目の視野についての科学的な知識があると、原因が非常に分かりやすいので、説明をしておきます。

人間の視野は二種類の視野に分類されています。

視野の中心部にある中心視野とそれ以外の周辺視野です。

中心視野の機能は端的にいうと観察するために発達したもので、周辺視野の機能は索敵のために発達したものです。

そのため、中心視野は、静止しているものをより詳しく見ることに適しています。

「文字を読む。遠近感を感じる。細部まで細かく見る。色の違いを見る」など、観察するのが中心視野の役目です。

一方、周辺視野は、原始生活をしていた野生時代は、草をかき分けて迫る敵をいち早く見つけるため、遠くのわずかな動きも感じることができるようになっています。

そのため、周辺視野は色を識別する能力にかけ、また細かい観察にも向いていません。

 

人間の場合よく見ようとすると中心視野が働き、全体的に見ようとすると周辺視野が働きます。

 


視野と動作の連動が問題

 

 

人間の最も大きな問題は、ちょっとした意識の動きで、中心視野が働くことです。

中心視野が働くと、無意識に自分の動きを止めて、静止して、観察しようと体が反応してしまいます。

これが「居つく」という現象の最も大きな原因です。

例えば、相手が殴ってこようとすると、全く格闘技経験のない通常の人は、ついパンチを見てしまいます。

すると、足が居ついてしまいます。まず恐怖で動けなくなるのじゃなく、実は観察しようとして動けなくなります。

そして、次に恐怖が来て全く動けなくなり、パンチに当たってしまうのです。

ですから、合気道では、「相手の武器を見てはいけない」というのです。

私の師匠は「目は気を感じるもの。見るものではない」とよく言われました。

この言葉により、師匠には視野の科学的な知識はありませんでしたが、師匠自身は中心視野と周辺視野を十分に活用していたことが分かります。

このように、中心視野と周辺視野の活用が武道や護身術には大切です。

また、目の使い方については、拙著に記載しています。もしご興味のある方はそちらを参考にしてください。

キンドル版の本「力の弱い人でもできる唯一の護身術
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【空間を制する心法】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は合気道での空間の考え方を説明したいと思います。

空間の考え方は、合気道の心法、要するに心理学です。


間合い

 

間合いというのは、武道では相手との距離を言います。

合気道の場合、形稽古において技が最初に開始される距離は畳1枚分(約1.8メートル)です。

要するに畳一枚分を隔てた間合いを取り、相手と相対します。

試合などから考えると、非常に距離が遠いと思われますが、「用意、始め!」で行われる試合とは違って、いつ相手が攻撃をしてくるかもわかりませんし、武器を隠し持っているかもわかりません。

そういったことを想定しているため、稽古開始時の間合いは広いのです。

当然、暴漢に対処するのも、この距離を想定しておく必要があります。

畳一畳分というと最近は洋間でしか過ごしたことのない人が増えていますので、約2メートルと覚えておくとよいでしょう。

 


攻撃開始のタイミングをつぶす!

 

合気道では、相手の攻撃開始するタイミングがどこにあるかを重視します。

どういうことかというと、例えば、相手が自分を殴ろうと思うと、離れた距離から自分に近づいてきて、後少しで手が届くという距離になって初めて、的を絞り、殴ってきます。

この瞬間が前回言った攻撃の三角ができるタイミングです。

合気道では、気を消して近づくという技術があります。

他の武道でもあるかもしれませんが、そういった秘伝となっているため、一般的にはそういった技術は通常の攻撃ではつかいません。

ですから、一般的な攻撃では、後少しで届くという時点で、気を出しはじめるため、攻撃の三角が形成され、攻撃者はいわゆるロックが掛かった状態になります。

それで、あなたはが考えておくべきなのは、その攻撃の三角がどこで作られるかというタイミングをあらかじめ想定しておき、そのタイミングに合うように、相手の攻撃を封じればよいのです。

ですから、相手との距離感を常に感じつつ、相手が攻撃をしたくなる距離はどこかを考え、攻撃できないが攻撃の意志ができるその間合いに入った時点でその間合いをつぶすというのが合気道の基本となっています。

これは、戦術というより心理学ともいうべき心法に属する技術です。

このように、合気道には心法があり、身体操作だけではないため、運動神経や体力、体格という土俵で闘う武道と違った土俵、要するに相手の土俵で闘わないわけです。

合気道は見た目、受け身の武道で、相手の力を利用するから、護身術に役立つと言われています。

でも実際は、そうではなく、相手の土俵で闘わないというこういった心法を知ることで女性でも使える護身術となるのです。

 

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