【三年かけても良師をさがせ】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、例えば、合気道では打撃系の攻撃に対して「相手の力を吸収しなさい」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか? しかし、具体的にどうするかというのは合気道では教えてもらえないことも多いと思います。

そのため、師範方は、「黙ってコツコツと稽古していればある時、忽然と悟りが啓けます」と話します。

ところが、悟りを啓くってそんなに簡単なことではありません。そこには師が深いかかわりを持っています。今回は、良し師匠の大切さについて話したいと思います。


ゲシュタルトと悟り

実は、ゲシュタルトといって、人には自動的に情報を分析して統合する能力がそなわっているので、何の前触れもなしに、あるときふと「あっ、そうだ!」とわかることがあります。

いわゆる悟りです。ですから、合気道では「技は自分で悟る必要がある」とされています。

ところが人間は一つのゲシュタルトが出来ていると、他のゲシュタルトができません。

例えば、ルビンの壺という心理学の本ではお馴染みの白黒の模様の絵があります。

これを二人の人物が向かい合っている絵とみることもできるし、花を生ける壺とも見えます。ところが、壺として見ている間は、人物は消えてしまいます。

しかし、実態は白いバックに黒い模様が入った絵にしかすぎないのですが、脳がこの情報を壺と判断すると、黒い部分が壺に見えてきます。これがゲシュタルトです。

そして、一つのゲシュタルトが崩壊して初めて、別のゲシュタルトが作られます。

ですから、人と人が向かい合っているというゲシュタルトは壺であるというゲシュタルトが崩壊しない限りみえないのです。

ゲシュタルトというのはそういった性質があるという理解が必要で、ゲシュタルトの崩壊があって初めて、悟りが啓かれるのです。


自分の技を進歩させるには

ゲシュタルトの形成と悟りの関係がわかったとおもいます。

しかし、技一つに対することでも悟りを啓くには、今までのゲシュタルトを崩壊させる必要があるということも分かったと思いますが、新たなゲシュタルトを形成するには、もう一つ問題があります要があります。

 それは何かというと、人間には安全な今の状況を保とうとするホメオスタシスという原理が働いているため、強く変化を望まないとすぐに元の状況に引き戻されるという問題です。

今の状況というのは、その人にとってその環境に適応した結果なので、非常に慣れた状況で無意識的には居心地が良いと判断してしまうためです。

それをコンフォートゾーンと呼びます。このコンフォートゾーンというのは、その人にとって居心地が良くないと思っていても、その環境に適応した結果なので、精神的なエネルギーの消耗が非常に少ないのです。

ですから、新たな環境に行って新たな適応が必要なことに対しては 無意識は 非常に抵抗します。

ですから、技一つとってもても、悟りを啓くには、淡々と稽古しているだけでは無理だとわかります。

そこで必要なのがゲシュタルトを崩壊する知識と、新たなゲシュタルトを構成する知識です。

それが合気道では秘伝というモノなのです。ですから、現状に不必要な秘伝は実は新たなゲシュタルトを形成するためには不要なのです。

ですから、あっちこっちの先生のところを渡り歩くジプシー修行家は、段階的な指導が受けられないので、結局は悟りが啓けません。

そのためには良い師を見つける必要があります。中国の名言に「三年かけても良師を探せ」という言葉がありますが、僕自身、井口師範のいう非常に良い師に巡り合えたお陰で、運動神経のダメな僕が今胸を張って武道家をなのれているのです。


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