皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
僕は護身術ということで武術を教えていますが、護身に関する話をするとき、合気道をしている他の人たちと若干のずれを感じるときがあります。
今回はそういった護身について考えたいと思います。
パニックの時でも使えないと意味がない
長年ある武道をやっていた女性が言っていましたが、夜道を歩ていると後ろから付けてくる男がいたそうです。
そう思うと、心臓がパクパクと鼓動をたてはじめ、頭が真っ白になり、必死で走り出して逃げて難を避けたそうです。
もしあの状態で、遅いかかられていたら、日ごろ稽古をしていた技は一つも出せずに、襲われていたかもしれなかったとのことでした。
この様に、長年武道をやっていても、いざというときには心が動揺するものです。
ですから、日ごろ如何にそのような状況を想定して実感をもって稽古をしているかが問題となります。
ちょっと変な話ですが、僕は心霊現象によく出くわします。
それで、お経やお呪いや真言(マントラ)、九字など霊から身を護るためのもの覚えています。
かなり前の話ですが、僕は一度、夜中に鬼に寝込みを襲われたことがあります。息が苦しいと思って目を開けると、目の前に鬼がいて僕の首を絞めているのです。
僕は精神が動揺して、般若心経を唱えようとしましたが、全く思い出しもできません。
それで、もっと短い真言などを唱えようとしましたが、かなり沢山の真言を覚えていたのに、その時は全く思い出すことができませんでした。
僕はもう殺されると思った瞬間に、自分の手が空いていることに気が付き、手で九字の印を組みはじめました。
すると、九字の印を最後まで組んだ時、自分の上にいる鬼が急に苦しみだしました。それで、九字の印を何度も何度も行うと、鬼が、黒い煙を吐きながら真っ赤な光の玉になって逃げて行きました。
この経験からも僕は、パニックの時はお経を唱えるといようなあまり複雑なことは向かないと実感しました。
このように自分の身を護るときの最大の敵は、自分自身の心です。如何にパニックにならないかが問題なのです。
そのためには、何とかなるだろうと安易に考えず、パニックが起こることを前提に考えておく必要があります。
護身術のワンデイセミナーなどを依頼されたとき、特に女性に多いのですが、刃物で襲ってくる敵を綺麗に制する方法を教えてほしいという要望がありますが、そんなのは絵空事でしかないのです。
多分、そういったことをいう女性は、今までに取っ組み合いの喧嘩もしたことがなければ、恐ろしめに遭ったこともないのだと思います。だからパニックになるという発想が無いのだと思います。
護身も火災の避難訓練も同じ
学校や職場でも、火災時の避難訓練を行います。これは最悪の事態を仮定して、そのとき取るべき行動を予め覚えておくと、実際に問題が起こっても、パニックを起こさずにすむからです。
このように護身においても、最悪の事態を想定して、稽古しておくことも大切です。
そのため、暴漢に襲われそうになったら、まず考えることは安全の確保です。もし、相手がお金が目的なら、お金を差し出せばいいと思います。
でも、中には、暴力をすることが目的な人間もいます。通り魔のように誰でもいいから殺したいと思う人間もいるわけです。
そんな相手が現れたらどうするかということはある程度考えておく必要があります。
人間が一番パニックになりやすいのは、想定外の出来事が目の前に起こった時です。
ですから、日ごろからそういったことを想定して、そんな場合はどうするかを考えておく必要があります。要するに火災時の避難訓練として意識することで、パニックを少しでも緩和できる準備が必要なのです。
そして、パニックになったときでも役に立つのは、正々堂々と戦うのではなく、あらゆる卑怯なことをしてでも安全を確保することです。
そのためには、武器になるものは使う。無ければ、相手の目や金的やのどなどを突くということする。
しかし、パニックになったときは、絶対に日常使うモノを武器にするという発想はでてきません。日ごろから、周りのものをどう武器にするかと考えておく必要があります。
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