皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!
今回は、合気道で使う「動作の気の流れ」の利用の続きで、具体的にどのような方法を用いるかという点についてお話ししたいと思います。
前回は、相手は常にこちらの動きを読もうとしているので、意図があっても、意図を持ちつづけていなければ相手はこちらの意図を読むことができないという説明をしました。
そこで、具体的に意図を持たない動きをつくりだすのかをお話ししたいと思います。
意図を持たない実際の方法
意図を持たない動きを実行するのはどうしたらいいのでしょうか? もし井口師範が生きていらっしゃれば、「単に相手に合わすだけ!」という答えが帰ってくるでしょう。
これでは意味が分からないとおもいますが、私たち達人でない凡人が実現できることは一つ手をセンサーにして、手に意図を持たせないで、ただ相手についていくことです。
そうすることで、相手はコチラの意図を計ろうといろいろと動きます。さらに読めなくなると、その手から解放されようと動き始めます。
そうすると、しめたもので、相手の動きが関節の稼働範囲の終端に近づいた時点、曲線運動で軌道を変える前に、相手の動きの方向に合わせて、そこで少し力(運動エネルギー)を加えてやれば、関節の可動範囲の終端に導くことができます。
相手は、自分の動作の気の流れとこちらが加えた気の流れと区別がつかずに、自ら窮地に追い込まれた形になり、崩れてしまいます。
これが、相手の動作の気の流れを利用した崩し方です。
意図を持たない方法を実現するには?!
この話をすると「成る程!」と思う人が多いと思います。ところが、実際の技になると、相手についていくということが中々実現しません。
何故なら、多くの合気道の稽古の場合、技の受け手が自ら勝手に技にかかろうとしてしまうことが多いからです。
ところが、実際に護身術などで使用する際は、時代劇の殺陣のようにはいきません。こちらに危害を加えようとする相手が、わざわざ自ら勝手に投げられてはくれるということはありません。
そこで、こういった稽古をするには、相手に逆らってもらうような稽古が必要になります。
そうすることで、相手の手に自分の手を持ってきて、自分の手をセンサーだと思って相手についていくことが大切です。
しかし、相手についていく際に自分が崩れていては全く意味がありません。自分の軸はピシッと極め、重心を安定させて相手の動きについていきます。
そして、相手が不利な位置に手を持ってきたら、すかさず、相手の手をその動きに合わせて、さらに加速する訳です。
相手の脳にパニックを起こす
相手は自分の意識で自分をコントロールしてい居たはずが、気が付くと相手にコントロールされていることに気づくと、脳がパニックを起こします。
そうするとしめたものです。相手に隙ができ、相手を自在にコントロールできる土台が完成します。そのまま、無理をせずに相手に技をかけていけば、相手はかなり自然な感じで投げられたと思います。
これが相手の動きの気を利用した技です。
ちなみに、このとき、相手が意味なく笑っているような顔をしていたら、脳がパニックを起こしている状況で、あなたの技が聞いている証拠です。
当会での稽古
当会では、この相手の動作の気を利用した稽古には、杖(じょう)の稽古も併用します。
杖とは直系3センチ、長さ約128センチぐらいの木の棒です。
杖を用いて変幻自在の動きによって、相手の動作の気の流れをさらに導く方法を理解していただいています。
ちなみに、先日、関東から個人稽古に来られた方も、こちらに来ると言うことであらかじめ岩間の斎藤師系列の杖の動きを学びに行かれたそうですが、当会の井口師範の指導した杖を体験して、全く別物だといっておられました。
井口師範の指導する合気道の杖(じょう)の捌きを稽古するとかなり理解できますが、これに関してはまた別の機会に紹介したいと思います。
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