皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!
今回は、一つ一つの動作の意味とその重大性についてお話ししたいと思います。
どのようなことでも、ある程度極めた人は一つ一つの動作、或いは言葉を発するにも意味を持たせるように言うことが多いと思います。
私の合気道の師匠である井口師範は、「一歩足を踏み出すその一つの動作にも意味がある。さらに、手を一つ出す動作にも意味がなければならない」ということをよく言われていました。
私たちは、日常、何か動作をするごとにさほど大きな意味を持たせて動いていないことが多いと思います。
例えば、手を出すという一つの行為においても、ただ手を出しているというように、何故そのような経路を通って手を出すかということを深く考えていないのではないでしょうか?
ほぼ無意識に手を出す。それが普通で何も疑問を感じたことがないと思います。
これを武道でやってしまうのは、良くないというのが井口師範のご指摘でした。そこで、どのような意味を考えてやっていくのが良いかと井口師範は言われたのでしょうか。
将棋
井口師範は、僕が正面打ちを受けるときに、将棋に例えて話されたことがあります。
「将棋は無意味に駒を動かすのとちがう。一手一手すべて意味を持たせて打っていく。合気道もそれと同じ、不用意に手を出したらあかん」
ですから、合気道の手を出す出し方も、「何故そのように出すか?」ということの意味の重大さを感じながら出していく必要があるとのことでした。
一つの動作をするにも、初動から意味があるということでした。
中国武術の例
武道では、始点から終点までかなり理由があったりします。そのため正しいフォームといえるものも存在しています。
例えば、中国武術である太極拳では、套路(形)の中に、色々な形があり、それぞれの動作において手や足の始点と終点があります。
太極拳では、始点、途中、終点をすべて意識するために、あのような緩慢な動作で稽古をするのです。
また、私が12年ほどやっていたジークンドーでも、エコノミーラインといって最短で手を出す軌道が決められていたりします。
合気道での意味
話を合気道にもどしますが、井口師範は「陰(かげ)から現れるがごとく」とおっしゃいました。要するに動作の初動を隠すようにとおっしゃったのです。
これをうかがったとき、「なるほど」と思いましたが、初動を隠すといわれて具体的にどうするか非常に混乱したものです。
ところが、そういった指導を何度も受ける中、あるとき井口師範がいわれた言葉で、僕はようやく意味がわかりました。
「人の体には陰(かげ)と日向(ひなた)がある。右手の陰は左側、左手の陰は右側」
これだけでは分かりにくいので解説すると、この陰、日向というのは、気が表に出やすい位置のことです。言い方を変えると相手に感知されやすいかどうかということです。
右手が、正中線より右側にあると、そこから動作を起こすと、相手にとって右手の動作が非常に察知しやすくなり、すぐに対処されてしまいます。
一方、右手が正中線より左側にあり、そこから動作がおこると、相手に察知されにくくなるというものです。
そのため、右手を出すとき、正中線より左側に右手をずらしておいて差し出すと、「陰から現れるごとく」手が出るということです。
このように合気道においても、手を出すことですら、始点から終点まですべての点で意味があるということです。
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