皆さん、お元気ですか? 僕はかなり元気です。
さて、前回は宇宙と一体になる技術ということで、大まかな説明をしましたが、かなり理解が難しかったのではないでしょうか。
今回は、もう少し具体的な稽古法を紹介したいと思います。
先ずは簡単な動作から始める
合気道では形稽古を行いますが、決められた形稽古から、宇宙と一体になる意識を入れていくのは、かなり高度で、多分僕たちのような凡人では、決して入れていくことができないのではないかと思います。
そこで、技をもっと単純化して、宇宙と一体になるための稽古が必要になります。
そのため、井口師範のご指導では、まず相手と接すると、当て身を入れるというところから始まります。
その基本動作として、まず向かい合って、受け攻め同時動作というものを稽古します。
これは右手手刀で相手の右手手刀を上段で受け、左手で当て身(パンチ)を入れ、次に左右の手を入れ替えることを繰り返す稽古です。
この稽古では、相手も自分も全く同じ動作を行いますが、意識は相手と接した手刀受けの接点に意識を集中するとすぐに、意識を広げて当て身を当ての脇腹に寸止めで入れるという稽古になります
これにより、止と観を意識する訓練とするわけです。
そして相手と自分の接点が宇宙の中心、それを別の手に広げて当て身を入れつつ、相手全体に意識を広げるというものです。
技に応用していく
先ず、中国拳法でいう推手という稽古法に似た形から始めます。
合気道では、一教といわれる腕押さえから、この意識の稽古を行い、慣れるにしたがって二教、三教、四教、四方投げ、回転投げ、小手返し、入り身投げとドンドンと技を変えていきます。
そこで一教で説明していきます。
相手の右手と自分の右手を交差させます。取り(技を行う人)は、交差して接した点を強く意識します。これが止です。
次に、左手で相手の脇腹に当て身(パンチ)をいれます。と言っても稽古ですので、寸止め、要するに相手に当たる前に留めます。
この際、最初の接点から意識を外さず、意識を広げるようにして、左右の手を同時に意識します。ここより観が始まります。
さらに、相手の脇腹にいれた当て身の手から意識を外さず、すぐさま、その手を上方に移動して、相手の二の腕を掴みます。
このとき、最初の接点の意識が薄れ、相手への圧力が一瞬緩む人がいますが、これは注意しないといけません。
井口師範のご説明では、「宇宙の中心は不動である必要があり、宇宙全体からみると、宇宙の中心の突然の変化というのは不自然である」からといわれました。
早い話が、意識の中心が抜けると、隙ができ、相手の乗じられるのです。
そして、相手の強弱に応じ、右手と左手の両方を適切に使うことで、相手の腕を押さえていきます。
相手が腑抜け状態なら、肘にある手が重要で、相手のが逆らう場合は右手が重要になります。要するに何事も、バランスが大事ということです。
ただ、演武だけの合気道の人の場合、肘の手だけが大事と教えますが、演武は相手が協力してくれるからで、見た目綺麗に見えるためです。やはり左右のバランスを考えた動きが大切です。
以上の動作で止観を入れて、左右の手のバランスをとりつつ宇宙を意識していきます。
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