【重いものを軽く使う科学】

みなさん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

生前、井口師範は、相手を投げるためには重いものを軽く扱えるようにならんとあかなん」と言われました。
そのために、「鉄杖をつかいなさい」と言われました。
今回は重いものを軽く扱う技術の基礎的なお話しをしたいと思います。


重いものを軽く扱う

 

合気道では、力を抜くということをよく言われますが、力を全く使わないということではありません。

当然、重いものを軽く扱うにも最低限支える筋力というのは必要になります。

重いものを軽く扱う場合、運動エネルギーを利用します。

そのために鉄杖で稽古します。

鉄杖だと、小手先だけの力では思うように動きません。重い鉄杖を強く突いたり、振り回したりするには、どうしても運動エネルギーを利用しないとできません。

しかし、現代人はあまり重いものを振ったり、突いたりということはしないので、具体的に運動エネルギーを利用するというのが分からない人が多いので、その方法を以下で説明します。


運動エネルギーを使う技法

 

今回は鉄杖を扱う最も基本的な扱い方だけを紹介していきましょう。

合気道で、運動エネルギーを扱う方法は4種類あり、それぞれに陽の技法と陰の技法があり、合計8種類あります。

当会では、4種類の方法を第一式~第四式と呼んでいます。

第一式では、前進・後退による運動エネルギーの伝達

第二式では、回転運動による運動エネルギーの伝達。

第三式は、上下運動により、位置エネルギーを運動エネルギーに変える方法。

第四式は、頭の重さを使った運動エネルギーの伝達

今回は第一式を使った感覚トレーニングをご紹介します。

 


第一式陽の技法

 

 

今回の記事では運動エネルギーの利用を体に身に付ける基礎トレーニングを説明しますので、攻防を考えた構えはしません。

まず、ダランと両腕が伸びるようにして鉄杖を持ちます。

その状態から、足を一歩踏み出します。その際、手はそのままの状態でただ鉄杖を運ぶ意識を持つだけです。

そして一歩踏み出したらすぐに後ろの足を前に少し進めます。これを継ぎ足といいます。

この継ぎ足をすると同時に鉄杖を前に出します。

これが陽の技法で、こうすると、手だけで鉄杖を突きだしたときに比べると非常に軽く突き出せるはずです。


第一式陰の技法

 

まず、ダランと両腕が伸びるようにして鉄杖を持ちます。

次に、その場で、腰を後ろに引きつつ、鉄杖を前に出します。

タイミングが合えば、殆ど力を使っていないのに鉄杖がスパッと前に出ます。

以上が陰のやり方です。見た目、そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、鉄杖でやってみると「なるほど、目からウロコ」と思われるはずです。

 

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