皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
本日は、久しぶりに調査員の女性の護身術の個人指導を行いました。
調査員というのは、危険な地域で公共団体の職員の代わりに、公務の調査を請け負う仕事をする人です。
先日、その調査員の人の集会があり、その際に、ある一人の男性に説得されたということで、今日指導した調査員の女性が、刃物を持った暴漢と戦う方法を教えてほしいといいました。
僕は、即座に「女性が男性と戦うのは無理です」と答えました。
武器を持っていない気の弱い痴漢ならまだしも、人を殺そうと刃物を持って襲ってくる暴漢を相手にするのは、いくら武道をやっているとはいえ素手では男性でもかなり危険です。
男性調査員の主張
その男性調査員は、若いころプロボクサーを目指していたとのことで、ボクシングの腕にはかなり自信があります。
そして、何年か前から、ある事件がきっかけで体を鍛えだし、現在は毎日一人でボクシングの稽古に励んでいるのです。
確かに、60歳は過ぎているものの体が締まり、半袖のシャツから覗かせる腕からも如何にも体全体が鍛えられているとわります。
その日は、調査員の男性3名、女性2名の合計5名が集まって話し合いを持つ会議の日でした。
調査員同士の連絡事項などが終わった後、危険な地域での暴漢の話になりました。
すると、その元ボクサーの男が突然話を始めだました。
「例えば、暴漢が刃物を持った男だったらどうする?」
と指をさされたのが老齢の女性の調査員です。
「安全を確保するため、できるだけ距離をかせぐようにしてから、急いで逃げます」
と女性調査員は答えました。
まさしく護身術においては優等生的な答えです。
ところが、その男は、
「そんなことでいいのか? もしかしたら、その男が他の人間を襲うかもしれんのだぞ。何故取り押さえようと思わないのか? 人はどうなってもいいというのか?」
「でも…」
「でももへったくれもない。あんたはどなんだ?」
と、次は32歳の女性を指さして、その男が言います。
「私にはとても無理です」
「無理とかそういう話をしているのじゃない。自分さえ助かれば他人はどうなってもいいのかと聞いているのだ?」
「……」
「我々は委託ながらも社会福祉に関わって仕事をしているのだから、人の命を犠牲にしていいという考えではあかん。もっと人の命を考えて行動すべきだ」
護身の基本は先ずは自分の安全確保
その男の主張は一見筋が通っているように思えますが、無茶苦茶な話です。
まず女性の力では男性の力にかなうはずがない事をはっきりと教えないといけません。
しかも、本気で殺しにくる相手を素手で簡単に制するなんて、男性でも、武道の達人でないかぎり難しいのです。
女性は、まず自分の命を守るために、安全確保を如何にすべきかを考えるべきで、最悪の場合でも、何を武器にできるかを考え対処すべきです。
それぐらい、刃物は危険です。
以前、秋葉の通り魔殺人事件では、防刃チョッキをきた警官一人が警棒で応戦するも、かなり手間取り、最後は銃を突き付けて初めておとなしくなったということです。
日ごろ、武道に励み、逮捕術の稽古をしている警官ですらこうですから、素人のしかも素手の女性がどう通り魔を制するというのでしょうか?
刃物を持った通り魔が現れたら、まずは逃げることを考えましょう。
最悪でも距離は2mは近づけないことです。
「やめなさい。話せばわかる」
など言っても、人を殺す気できている暴漢には話し合いは通じません。くれぐれもコミュニケーション距離まで近づかないことです。
とにかく、距離を取ることを考えないといけません。自分の安全確保した時点で、携帯で警察に知らせればよいので、自分で何とかしようなんてする必要はありません。
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