合気道の当て身と積の話

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今朝、散歩していると、アスファルトの割れ目から枯れた草が覗いているのをみました。多分、春から秋にかけては緑いろの草がのぞいていたのでしょう。

かなり堅いアスファルトを突き破って顔を出してくる雑草の生命力には驚かされますが、雑草の力が強いのではなく、小さな力の持続がアスファルトを破る力になるそうです。

とても合気道ぽく思いました。それで、今回はこの話題にしたいと思います。

合気道の当て身と他の武道の打撃

少し前に合気道と和と差のを話をしましたが、当身は積の話になるのですが、別に算数の話をするつもりはありませんのでご安心ください。

実は、僕は、渾身の一撃を打ちだすより、軽く小突いた方が強い打撃がでるとよく言われます。

よっぽどへたくそかと思われるかもしれませんが、僕は、一応は昔に打撃系格闘技もやっていて、素人パンチではなく、並みのパンチは出せます。

軽く小突いた打ち方をする場合は合気道の当て身をつかうからです。

ただし、まずお断りしておきたいことは、打撃系格闘技の打撃方法より、合気道の打撃方法の方が優れているということをいいたいのではありません。

退会選手やプロ格闘家の人たちのパンチは殺人的であるというのは間違いのない事実です。

ただ、違う点は伝授方法があるかないかという点で、そういった格闘技では個人の才能に依存していて、僕の学んだ合気道ではきちんと伝授方法があったということです。


合気道の当て身は掛算

では、この違いは、どこにあるかというと、原理に違いがあいます。

僕がやった打撃系武道、格闘技の場合は、筋力が打撃力の中心でしたが、合気道は運動エネルギーを使います。

さらに、もう一つの違いはイメージによるものだと思います。

合気道の場合、説明がかなり厄介なので、ボールを打撃するということで説明をしていきたいと思います。

まず、打撃系格闘技の場合ですが、この場合スピードを優先するため、

  1. 目標をボールの後方の空間と定めます。
  2. 構えから、足の筋力と腰の筋力を使って、地面の蹴りと腰の回転を同時に起動します。
  3. 素早くボールを打ち抜きます。

イメージとしては、目標をボールの後方の空間と定め、素早くボールを打ちぬくようにします。

一方、合気道の当て身の場合は少し異なります。

  1. 身体全体が加速して、身体に運動エネルギーを作り出します
  2. 打撃する目標部に手を持ってきます
  3. ボールの表面をぶち破るつもりで打撃を打ち込みます
  4. ボールの中央部に手が入ったと感じたら、ボールともども押し込んでいく連れていくイメージでそのまま打ち込みます

合気道の当て身の相手ともども引き連れていくというフィーリングでは、実際、接触しているときの時間が長くなります。

そのため小さな力でも持続時間が長いため、時間と力の積である力積が大きくなります。

実は衝撃力はこの力積によってきまるため、軽く出したように見える合気道の当て身の方が結果的に強く感じる訳です。これが合気道の積の話でした。



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