【武道とカタレプシー】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回はフレームの破壊に関連のあるカタレプシーについて話したいと思います。


カタレプシーとは?!

カタレプシーというのは、硬直を意味する言葉です。

元々は、緊張病症候群で、 受動的にとらされた姿勢を保ち続け、自分の意思で変えようとしない状態になるものを指しますが、ここでは心理学でのカタレプシーについて述べます。

相手が行動を起こそうとするとき、何らかの心的モデルがあるのですが、そのモデルが中断された場合、無意識にその間中は体の動きを止めてしまい、再開されるのを待ちます。

例えば、名刺交換というフレームでは、名刺を渡そうとすると、相手はそれを受け取ろうとします。

これが一連のパターンとなっていますが、このフレームを、例えば、相手が受け取ろうとした瞬間に、手を止めて、自分の名刺を引き寄せて見ると、、相手は受け取ろうとした手をそのままにしてジーっとしてしまいます。

そして相手に、名刺をそのまま渡してフレームを再開すると、相手は その2、3秒の間の事を全く忘れ、中段があったことも気づきません。

このように、フレームを自然に中段すると相手は、フレーム中断から再開までの記憶が飛ぶわけです。

こういった特性を当然、武道で使わない手はありません。


武道でのカタレプシー

武道でのカタレプシーの代表的な例としては、中国拳法の高度なテクニックを見たことがあります。

パンチで攻撃する際に途中で手を止めて、その位置から再開してパンチを打ちだします。すると、相手は止まった状態になってパンチが確実に当たります。

しかし、特殊な訓練をしていない限り、再開したパンチは単なる手打ちとなり、相手へのダメージを与えることができません。

中国拳法には寸勁と言って、距離3センチぐらいから、爆発するようなパンチの打ち方がありますが、これができるとこのカタレプシーというは非常に恐ろしいものになります。

合気道ではどうかというと、相手に持たれた手を外す場合、相手の親指に特殊な術を施して手が抜けるようにする技術がありますが、相手と目を合わさずに、これを行うと、相手は何故か手を掴んだ時の状態のままじっとしています。

その間に、相手の横をすり抜けると、1、2秒止まったままになります。

更に、気に当たる技術、気に当てる技術、気を誘導する技術というのも、実はカタレプシーを応用したものです。

例えば、気に当てる技術の中でかなり高度なものとして、合気道の遠当ての術というものがありますが、原理は同じです。

遠当てとは、相手が行動を起こそうとして、動き出した瞬間にこちらから何かのアクションを起こすと、一瞬カタレプシーになり、この瞬間、合気道では相手の中に入って技を仕掛けるわけです。

合気道の遠当てでは、相手のフレームが開始する寸前の頭を抑える必要があり、非常にタイミングが見妙で、相手の兆しを掴むことができないと成功しません。

このように見ていくと合気道や武道の技術にもこういった心理学的アプローチが沢山使われていることが分かります。


もしよければ、下記のボタンをクリックして、ブログ村への投票をお願いします。

にほんブログ村 格闘技ブログ 合気道へ
にほんブログ村