【意識の三角と合わせ・外し】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今、合わせということで、記事を書いていますが、今回は、以前お話しした攻撃の三角(意識の三角)と合わせの関係に関して記事を書いていきたいと思います。


意識の三角

以前までは、「攻撃の三角」という呼び名で読んでいましたが、これは、攻撃しようと意識が目標に固定したとき、その行動が遂行し終わるまで、体がその動作にロックされてしまうことを言います。

人間というのは、一旦、目標が定まり、意識が集中した時点で、その目標に向かって全意識があたかも太陽光を集めるレンズのように一点に集中してしまうことを、「意識の三角」と呼んでいます。

ですから、例えば、正面打ちで相手の眉間に目標をさだめ、今まさに打ち込もうと集中したときに「意識の三角」が形成され、正面打ちという動作に体が固定され、正面打ちが目標のあるところまで到達しないと「意識の三角」は消滅しません。

 

ですから、「意識の三角」が形成された時点では、虚実で表現すれば、一点に実で、他は虚の状態になり、非常に無防備な状態にもなります。

また、攻撃の際は、上級者ほどその「意識の三角」の維持時間は短いのが普通です。

そして合気道では、この隙間をどう狙うかを考えるわけです。

 


意識の三角に合わせる

具体的には合気道では、この「意識の三角」が出来た時点で、相手の目標となっている意識の三角の頂点から外れます。

ですから、ときどき合気道の指導者は「打撃は点」というい言い方をし、「その点さえ捉え、避ければ簡単」と指導する指導者もいるくらいです。

とは言っても、3カ月ぐらい打撃系の格闘技をやった人でも、攻撃時の「意識の三角」の期間は素人にくらべるとかなり短いのが普通です。

そんな短い時間にタイミングを合わせるのは実はかなり至難の業です。

しかも、打撃系の人には、連打があります。点も集まれば面となります。

それを忘れるとひどい目に遭うことになるので、要注意です。

というのは、合気道を十年以上している”とある合気道修業者”が日本拳法を始めて数か月の人に勝負を挑んで、ボコられたという話があります。

このように相手が打撃系初心者であろうとも、「意識の三角」を捕らえるのは本当に難しいのです。

そこで、師匠から教わった合気道ではどうかというと、心法を使って、「あるタイミングに相手がどうしても殴りたい」という状況を作ってやり、相手はそれにつられて手を出させるということを行います。

要するに相手の殴るタイミングをこちらで用意してあげるわけです。

それだと、タイミングは実は自分が握っていることになるので、非常にコントロールがしやすい状況であるということです。

それで、意識の三角の目標地点から目標になっている部分を外し、相手を導きます。

なお、相手が打撃の上級者になるほどこの操作は難しいというのは当然です。

日ごろ良い師匠に就いて合気道の稽古を真剣にやっている人なら、これだけのヒントで分かる人がいると思います。

しかし、合気道修行者が道場でできても、他の格闘技の人に使うと痛い目を見るかもしれないということを一言付け加えておきます。

考え方の違いを述べているという点を誤解しないようにお願いします。

 

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【手首取りでの「合わせ」】

皆さん、お元気ですか? 僕はかなり元気です。

最近の記事では合気道の「合わせる」ということについて、いろんな視点から述べています。

そこで大切なことは「合わせる」「外す」「導く」でした。

今日は手首取りの「合わせ」「外し」「導き」について記事を書いていきたいと思います。

「外す」というのは、相手とぶつからないということです。

要は「相手の土俵で戦わない」ということで、そのため、力勝負を避けることでもあります。

特に僕たち日本人は「正々堂々」が好きで、実力も考えず、相手との真向勝負で圧勝することを好みます。

極端に言えば、体の小さく力のない人間が、圧倒的に力も体格もある人間に圧勝する実力を見せるというのを理想としている訳です。

でも、現実のルールに従って正々堂々と戦うスポーツでは従量制をしいているのは、体力、体格、素質のある人に圧勝するというのは無理だということを示しているのではないでしょうか。

それが現実です。


相手の知らない技術

 

体力、体格、素質のある人と、ルールのもと正々堂々と根性だけで真向勝負で戦うには限界があります。

やはり、技という要素で戦わないといけません。

技というと「誰にでも通じる万能の技」を連想する人がいるかもしれませんが、そんな綺麗ごとはありません。

「相手の知らない技術」を使うのです。

だから、技で勝てる訳で、相手が知り尽くした技では、とても勝負になりません。

だから完璧に技の形さえできればという最高の答えはないのです。

技が決まるのは、形ではなく、相手の虚をついた瞬間ということを覚えておく必要があります。

 


手首取りで、実を避けて虚を撃つには?

 

「実」というのは万全の体勢をととのえている状態、「虚」というのは無防備な状態です。

合気道では、一見万全の体勢を整えている状況で戦うと見せかけて、実は相手の「虚」を突くという戦法を取ります。

今回は手首取りでの相手の「虚」というのは、つかもうとするタイミングでの位置関係にあります。

人間は相手を掴もうとすると、最大力の出る位置を無意識で選びます。

そしてそうした人間の最大の問題点は、直立歩行を行っているという点です。

そのため、最大に力が入る位置というのは唯一点だけになってしまいます。

そこで、一見つかまれるように見せかけながら、位置を少しずらすことで、相手に悟られず、最大の力の出る点を外します。

ところが、折角、相手は気づかないうちに最大の力が出る点が外しても、握られた瞬間にはまた軌道修正され、最大の力が出る点に引き戻されます。

初心者が上手くできないのはこの理由によるためです。

では上級者は何をするかというと、このずらしたつぎに、「導き」を入れているのです。

具体的には手首を螺旋状に導いて、相手に引き戻されないようにして自分の優位な位置に手を持ってきます。

これにより、相手の体勢は大きく崩れます。

手首取りの技は実はこういった技術を習得するのに必要な技なわけです。

といっても、この技術は手首取りの際の、ほんの一つのやり方でしかすぎないということも覚えておく必要があります。

合気道の技には、唯一これだけが正解というものはありません。

 

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【合わせる・外す・導く】

皆さん、お元気ですか? 僕はかなり元気です。

今回は、「合わせる」ための外す意識について話したいと思います。

 


兵法書「孫子」の虚実について

 

中国の兵法書『孫子』に「兵の形は実を避けて虚を撃つ」とあります。

「実」は防御にすきのないことで 、「虚」は無防備ですきのあることをいいます。

まさに、合気道でいう相手の土俵で決して戦わないということと同じ意味になりますが、合わせを行う際に非常に大切なことです。

しかし、いうのは簡単だが、行うのはかなり難しい。

何故なら、人間はバランスを取るため、最も大きな力がかかるところ、「実」に向かって対抗してしまうからです。

先ずはその条件反射を消す必要があります。

そのためには、まず意識の改革が必要です。

 


意識改革

 

意識改革というのが、「外す」という意識です。

そのための稽古として、片手取りとか両手取りとか諸手取りとかの手首を取る技があります。

実は、合気道の一つの技に対して、正解が一つというのではありません。

答えは沢山あります。

僕の知っている答えがすべてではありません。まだまだ知らない答えが沢山あるはずです。

合気道をしていると、「どれが最高の答えだ」と唯一最高の答えを探してしまいがちですが、万能な答えなど存在しません。

ですから、手首取りという技術の中にも答えがなんとおりもありますが、今回は「外す」という感覚を鍛える稽古法を紹介します。

この稽古法で大切な点は、タイミングです。

相手に手を掴まれる瞬間が大切で、相手の意識を導くようにする必要もあります。

これは相手の気の流れを導く稽古として行うものです。

ですから、次の二段階の操作が必要となります。

  1. 先ずは「外す」
  2. そして「導く」

 

これが「合わせる」ために必要な操作です。

操作は2段階ですが、意識は「合わせる」「外す」「導く」は同時になりますので非常に説明がにくいのですが、次回は、片手取りから、この「合わせる」「外す」「導く」を何とか説明していきたいと思います。

 

 

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【合わせることと外すこと!】

【合気道の合わせとは?】
皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今回は、合気道の合わせのポイントについて述べたいと思います。

合気道といいながら「合気」という言葉はあまりつかわれず、大概は「合わせ」とか「結び」ということば合気道の稽古で使われます。

このブログでは「合気」ではなく、「合わせ」とか「結び」という言葉で書いていますが、合気道の合気について少し説明しておきたいと思います。

 

 


合気道の合気

 

 

合気というと、大東流合気柔術の合気が有名です。

書物などを参考にすると、相手を一瞬で崩してしまう特別な技術のようです。

一方、僕が学んだ合気道では、合気というのはどちらかというと思想的なものというか、究極の理想を示すことばでした。

師匠から教わったのは、「合気は、相手の気と同化するだけでなく、天地自然の気と同化し、我即宇宙を体現するのが合気道」ということでした。

かなり抽象的なことなのですが、合気とは思想であり、その思想が完全に技に反映したものが合気で、合気に至る道で、合気道なのだということです。

これだと分かりにくいので、宇宙はおいておいて、実際対峙する相手と合気で結ぶというのは、文字通り「相手の気に合わせる」という意味です。

ですから合気道の技の中では合気という言葉は殆ど出てきません。唯一、合気投げという究極の技の形でしか、僕が学んだ古い合気道では、合気という言葉は一般に使いません。

 

そこで、合気道では「合わせ」とか「結び」とかいう表現で技の説明を行います。合気とは「合わせ」や「結び」のずっと遠くにある延長線上の極致とするからです。

 


合わせることと外すこと

 

 

技を相手に掛ける際に、相手の力(気)の方向「合わせ」るだけではだめで、必ず「外す」ということ行う必要があります。

「合わせる」に対して「外す」というと、全く正反対の言葉で、「相手の土俵で戦わない」という合気道の考えを端的に示しています。

それは単に相手の力とぶつからないというだけではなく、先をとることにもなるのです。

そこで、相手の力と争わず、先をとるためには、あえて外すという考えが必要な訳です。

といっても、単にタイミングを合わせて、相手にぶつからないということではありません。

実際に相手のぶつかる力を外すという意味で、純粋に外すわけです。

だから合気道の技では「外しながら合わせる」という矛盾したことを行う必要がある訳です。

その当たりの話は次回にします。

 

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【一流はやっている周辺視野視】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は気を感じるということでの周辺視野視をご紹介しました。

それぐらい知っていると前回の文を読んで、思った人もいるのではないでしょうか?

ところが、多くのスポーツでは、周辺視野視というのは自然に身に付けるものととらえているようで、才能による差がかなりあるようです。

しかし、合気道では周辺視野視を稽古で習得します。


サッカーでも周辺視野視は大切

 

 

たまたま、昨日、少年サッカーの指導者と話をしましたところ、目の見方の話がでました。

才能のある子どもは、子どものころに既に周辺視野で見ることに気づくそうです。

それに気づいた子供は、他の子どもよりサッカーがドンドンと上手くなっていくという話をしていました。

そこで、そういった見方を指導しようと、子どもたちに全体を見て一点に集中しないようとどれだけ丁寧に指導しても、できない子はいつまでもできないそうです。

これはサッカーだけじゃなく、スポーツ全般でもいえることじゃないでしょうか?

 


周辺視野視ができてプロ格闘家になれる

 

 

周辺視野視に関して、元プロ格闘家の会員と話しをしたところ、プロなら皆、周辺視野視でやっているということでした。

この会員によれば、相手の胸あたりを中心に相手全体を視野にいれ戦わないと、判断がつかないということです。

ところが、総合格闘技が上達する上で、そういった見方は個人が自然と身に付けるのが普通だということです。

そのため、合気道の心法のような秘伝というシステム的なものではなく、個人が気づいた周辺視野視の使い方になるということでした。

そこで、気づきの多い選手は、当会で指導する時間を止める秘伝を使った打撃技や掌で相手の気を受け誘導する技術のような技術を使ったりしているが、その選手以外は使えないのが現状のようです。

 


合気道と他のスポーツとの違い

 

このように他のスポーツや格闘技では周辺視野視は自分で身に付けるしかないようです。

一方、合気道の秘伝では、心法ということで、周辺視野視のことがかなり解明されていて、さらにそれを利用する方法があります。

ですから、秘伝を受ければ、時間を止める秘伝も掌で相手を誘導する秘伝も、さらには、離れた相手に気を当てるという遠当ての秘伝も、この周辺視野視の扱う範囲であるということがよくわかります。

また、周辺視野視の問題点とその解決方法なども秘伝にはあります。

こういった点において、僕のような才能のない人間には、井口師範から学んだ合気道の秘伝は本当にありがたいと感じております。

ただ、井口師範からはすべて「気」ということでご指導いただいたので、才能のない僕は習得にはかなりの年月を費やしました。

井口師範が示のテレパシー的な神秘的な部分に関しては未だに僕には全く理解のできない部分もあります。

合気道の技をすべて科学的にとらえることができるとは考えていませんが、僕が分かる部分は、殆ど科学的にとらえらえることができます。

そして、科学的にとらえる必要性は僕は強く感じています。

何故なら、科学的にとらえるというのは、客観的に説明でき、習得には差があったとしても誰にでも再現性があるということだからです。

 

 

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【目で見るな! 気を感じよ!】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今回は使えるレベルに気を感じるという内容です。

「目で見たらあかん、気は感じるものや」と、師匠である井口師範に良く言われました。

どうしたら気が感じられるのかと、僕はいろいろな本を読んだり、実際に気功を習ったりとしました。

ところが、井口師範のいわれるように、武道に使えるレベルに気を感じることができませんでした。

 


目で気を感じるためには?

 

僕いつも考えていました。

『さまざまなパターンで素早く攻撃してくる相手の気を体で感じて、反応するにはどのように気を感じ、どう動くのだろうか?』

僕の頭の中にあったのは、いつしか井口師範が見せて下さった後ろからの見えない攻撃に対して行った合気投げでした。

非常に強烈なあのシーンが僕の脳裏から離れたことがありません。

それで、気を感じるのは超能力のようなものと考えていたのです。

ところが、そのように悩んでいたある日井口師範が、「目は見るものじゃない、気を感じるもの」と言われたのです。

僕にとってはこの言葉は晴天の霹靂でした。

僕の陥っていたのは、気というのは体で感じるものと勝手に思い込んでいたことです。

でも、いわゆるオーラ視とかではありませんでした。

師匠に「気とはどんな色ですか」と伺ったところ、「気には色や形はないが、目で感じるんや」とおっしゃいました。

師匠によれば、神経を気によって、まるで蜘蛛の巣のごとく、空間に張り巡らせると、気が相手に絡んで、相手の動きが手にとるように分かるのだそうです。

大切なポイントは気を相手にぶつけると相手は、こちらの動きを察知するのでぶつけてはいけないということです。

 

 


気を目で感じるとは?

 

 

僕は、師匠のいうとおり、目で気を感じるよう、日々さまさまなことを試すようになりました。

そして、あるとき、ぼんやりしていると、視界の右端で、窓の外から見える木の葉がそよ風で小さく揺れているが感じられたのです。

「気を感じるというのは、これだ!」と僕は思いました。

というのは、視線を窓の外に持ってくると、目の端で感じたほども木の葉が大きく揺れていないのですが、視線を木の葉から外して、目の端に持ってくると、やはり木の葉の揺れが大きく感じます。

このときは、僕は本気で気を感じた思っていました。

ところが、僕はド近眼で、目が悪いので、どうすれば目がよくなるかと、色々な目に関する本など読んでいました。

そんな中、視野の中には、中心視野と周辺視野があることを知りました。

中心視野は静止したものを細かく観察するために発達し、周辺視野は動くものを察知するのに発達したと書いてありました。

周辺視野は索敵、要するに敵をいち早く見つけるため非常に小さな微妙な動きでも検知できる機能が備わっているわけです。

草食動物は、草を食べながらも、周辺視野を活かして、遠くにいる敵をいち早く見つけます。

このように周辺視野を活かしきると相手の微妙な動きがわかるわけです。

要は目で気を感じるというのは、中心視野を捨てて周辺視野視ができるということだった訳です。

気を感じるというのは特殊能力じゃなく、自分の備わっている能力をより効率的に利用することだったのでした。

 

 

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【なぜ素人に技が効かない?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道を長年やっているにも関わらず、技が素人の人にもかからないで悩んでいる人が割合いるのじゃないでしょうか?

その場合、大概は相手の土俵で戦おうとしているからです。

 


一教(腕押さえ)が上手くかからない

 

先日、高校生男子の会員の話です。

友達がふざけてボクシングのまねをしてパンチで軽く小突いてくるのが、うざかったので、パンチを捕らえ、その後、一教(腕押さえ)をかけようとして、相手に逃げられたそうです。

そこで、彼に同様のことをやってもらったいました。

すると、肘を押し上げることに必死になって力んでいるではありませんか。

非常に力が読みやすい体勢。これなら素人でも技はかかりません。

この時点で、相手の土俵に乗っているわけです。

 

 


自分の土俵で戦うために

 

 

相手の土俵で戦わないためには、相手にこちらの意図を読ませないことです。

その一番の天敵は、実は自分の目の使い方。これから何をするかを相手に目で伝えてしまっては意味がありません。

例えば、この高校生の場合、右パンチの手首のところを、皮膚の技術を使って右手で抑え、パンチを捕らえたところまでは良かったのです。

もしパンチを捕らえる意図が伝わっていると、パンチを捕らえることはできなかったはずです。

ところが、パンチを捕らえた後、一教をかけようと、肘を見ました。

しかも、目だけではなく、あからさまに顔も肘の方を向け、馬鹿正直に腕力で肘を捻じ伏せようとしています。

そこで、以下の内容を指導しました。

  1. 一々視線に合わせて顔を動かさない
  2. 相手の全身を見ることを意識する
  3. 肘を抑えるだけが一教でない
  4. 体全体を使って相手をコントロールする

読者の方は気づかれていると思いますが、1と2は同じことです。いわゆる周辺視野で見ることになれる必要があるということです。

3は、多くの合気道修行者がよくやることですが、一教は手首側の操作も大切です。

テコの原理を考えれば誰でもわかることですが、実は、人間は、肘を押されるより、手の末端を押される方が弱い。

ですから、手の末端側をコントロールして崩したおいてから肘をコントロールする方が技はかかりやすいわけです。

4の体全体ということで、運動エネルギーを利用します。

腕の曲げ伸ばしでするのは腕力、腕の曲げ伸ばしをする前に、体を動かさないといけません。

このように、相手の土俵で戦わないためには、様々な要素が必要で、慣れる必要があります。

 

 

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【ド素人相手の護身では当て身は必須】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道で当て身(打撃技)を技に組み込むことに対して、否定的な意見を時々耳にします。

僕は、師匠から古いタイプの合気道を学び、当て身は入れるべきと教わったので、当て身の稽古をよくしました。

当て身の基本的な考えとして、打撃で相手の虚を誘い、技を仕掛けるというものです。

どこかで、万全の体制の相手の虚を誘うという思いが僕にはあったのですが、先日、女性調査員の方の指導をしたときに、ド素人丸出しの隙だらけの相手には必須だと感じました。

 


ド素人とプロボクサー

 

プロボクサーの人が以前に話していたことで、素人のパンチは避けにくいという言葉があります。

これはどういうことかというと、パンチを躱す稽古をする際に、ケンカや格闘経験のないど素人にパンチを出してもらうと、タイミングがくるって非常に避けにくいということらしいです。

『えっ、プロがド素人に負ける?』というのは早計です。

隙だらけで、パンチが来るのがパンチを出すのに慣れている人よりも時間がかかる上、パンチに体重が乗っていたいためタイミングが計りにくいのです。

だから、相手がパンチを出す前に2発ぐらいは出せるほどタイミングが遅れるわけです。

 


対超ド素人タイプには当て身

 

格闘技経験のないド素人、特にいわゆる運動神経が鈍いという人に対して練習しにくいというのは、ボクシングのような打撃系格闘技だけでもないと思います。

合気道修行者の中にも、そういったド素人は非常に技がやりにくいという経験を持った人が多いのではないでしょうか?

今、月に2回指導している女性調査員の人もそういったいわゆる運動神経の鈍いというタイプです。

先日、行った指導で、杖(じょう)の使い方を教えてほしいといわれ、正直月2回では無理だという話をしました。

ところが、納得してもらえず、仕方なく実際に杖を持ってもらって納得してもらうしかないと思い、杖で好きに攻撃するようにいいました。

当然、まったくのド素人で、多分、バットもまともに振ったことがないのでしょう。

当たれば痛いが、相手に致命的な攻撃にはならないどころか、余計怒りを誘うだけの程度です。

また、攻撃が通常のタイミングよりかなりずれます。杖を振る事だけを考えているので、どこを目掛けているかも読めないような振り方です。

ただ、隙だらけなので、2打撃ほど杖で寸止めでの攻撃できます。その後、その人の杖が私を襲うのです。

こちらの攻撃が2つほど入ってから、相手の杖が私を襲うので、非常に受けにくく、頭だけガードして、相手の杖に当たるということを繰り返すと、相手は当たったと喜ぶのです。

勘違いも甚だしいので、以下の説明をしました。

  • 本当なら、2回思い切り叩かれていて、攻撃は出せない
  • あなたの攻撃は少し痛いが、護身につかえるほど相手に衝撃は与えていない
  • あなたの攻撃はタイミングが遅いので手を思い切り叩かれるとそれで終わりで、安全のためそれをしないだけ

 

最近は、もしかするとこのような鈍感なド素人タイプの人が、劣等感から社会に不満を持って刃物を携えて暴漢として現れることもあるかもしれません。

そんな暴漢に対しては、隙だらけな攻撃を待って技を施そうなどと思ったら、どこに相手の武器が来るかわかりません。

やはり当て身を入れて、制圧して、武器を取り上げるしか方法がありません。

合気道では、相手の攻撃を待って技をかけるので当て身は不要という人が多いと思いますが、もし護身として使うなら、当て身の稽古は必須と感じました。

 

 

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【自分軸と回転】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
先日は合気道では、自分の中心軸を意識することが非常に大切と述べましたが、あまりにも軸を意識しすぎると技が上手く行きません。

今日はそのヒントを書いていきたいと思います。

 


意識は独楽のように!

 

自分軸で、大切なのは、軸が鉛直であることを意識しておく必要があるということです。気の研究会の故・藤平光一師範は、丹田(下丹田)をかなり意識するように指導されえたと聞いています。

しかも、藤平師範のご指導される丹田は、漢方医学や中国拳法で示す丹田よりずっと下の方を丹田として指導されていました。

丹田というのは、元々は、漢方医学や気功などの基になった古来中国の思想から来たもので、不老不死の妙薬である金丹を作る田という意味ですので、藤平師範がご指導された丹田というのは、本来の意味からすると場所が間違っているということになります。

ところが、藤平師範は合気道界きっての達人の一人です。その達人が常にその部分を意識して、無敵だったのは、人体の正中線の下部を意識すると体が非常に安定するということの証でもあります。

余談ですが、体の安定感だけでなく、僕の師匠である井口師範に教わった如意棒の秘伝というものがあり、当会では正確な位置を意識する必要があります。

それと、二代目・吉祥丸道主がおっしゃっておられた、やはり独楽(こま)の意識を持っておくことも非常に大切です。

独楽は、常に軸を保ちながらも、他の独楽と衝突したりもしますが、それでも軸を保っています。

 


どう円を描くか? 

 

 

合気道では、円転の理といって、動きを円のように行う必要があります。

当然、それには円の中心があり、実はその円の中心をどこに置くかということが非常に大切です。

円の中心の置き方によって、技が上手くいったり、行かなかったりするからです。

理想的な円の中心は、相手からすると、体が吸い込まれていくような感覚が生じる位置となります。

この状況を作るには次の条件が必要です。
気持ちが前に出ている
相手と当たらない
綺麗に円を描ける

そういった位置に円の中心を取ると相手は勝手についてくるようになります。

なお、相手を動かそうとしないという意識が円転の理を実行するときには必要です。

といっても、実は円の中心は相手との接点にあるとは限らないので、修行者はその中心がどこにあるかを常に研究することが大切です。

 

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【体を入れ替える】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道では、入り身や体の転換など、いろいろな足運びがありますが、今日はあまり使われていない合気道の足運びについて話したいと思います。

それが体の入れ替えです。


体の入れ替えとは?

 

ところで、体の入れ替えというと、合気道では体転換と勘違いをする人がいますが、それとは違います。

例えば右構え(右足が前になって半身になった構え)から、左か前に切り換えたいときなど、足を入れ替えるときなどがそうです。

「それなら足の入れ替えでいいじゃないか?」という疑問も生じるかもしれませんが、大事な点は、腰にあります。

要は右前から左が前になるとき、右腰が前である状態から左腰が前にある状態になるため、体全体の向きが変わるために体の入れ替えという表現になるのです。

ちなみに他の武道や格闘技では、構えを一瞬で切り換えることをスイッチといいます。

例えば、実際に相手と打ち合って相手がダウンを奪い合うフルコンタクト空手などの代表的なスイッチとしては、数ミリ上空に飛び上がって、落ちる何分の一秒かの瞬間に足を入れ替えるというものがあります。

一瞬の体の入れ替えは、相手の距離感を狂わせる効果があります。

要は、フットワークの一連の中に体の入れ替えを行って相手の虚を誘う動きをするわけです。

 


合気道での体の入れ替え

 

合気道ではどうかというと、近代の合気道ではあまり体の入れ替えということはしないそうです。

私が魔なんだ入れ替えとしては、3つあります。

  1. 足はそのままで、腰だけを入れ替える方法
  2. 後方に下がるようにして体を入れ替える方法
  3. 前方に入りながら体を入れ替える方法

合気道の場合、体の入れ替えは心法が目的で、相手を誘導したり、錯覚を与えることによって、相手を不利な状況に持っていきます。

1は、正面打ちに対する体の使い方として、相手の気が動いた瞬間に、一瞬入れ替え、後は静を保ち、相手の動作に合わせて動く、前々回に話した時間を止める技術などの心法を使うときに使用します。

2は、後方に下がるように見せかけて実は横に流れる動きで、以前、逃れのステップというところで紹介した動きです。

3は、相手の直線攻撃を捌いてから、相手の中に入るステップです。ステップの仕方は、2の真逆の足運びになります。

1から3のステップは、合気道独自の動き静から動のをスムーズに実現する動きで、やはりいろいろな心法が使えることを前提にした足さばきでもあります。

 

 

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