【護身での構えとは?!】2

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、以前ある警察官に護身について相談したとき、日本ではどんなに相手が悪くてもケガをさせると大概の場合、罪に問われると言っていました。

ですから、相手の攻撃は避けたいし、できるだけ戦闘は避けたいところです。

適切な構え方は?ということで記事を書きました。

 


理不尽な日本の法律?!

 

相手が先に攻撃をしてきても、ファイティングポーズをとったという事実だけで、相手がけがをすると、日本では過剰防衛になる恐れが非常に大きいそうです。

極端な場合、次のようなようなケースがありえると警察官が言っていました。

【理不尽なケース】

こちらがファイティングポーズをとっているところに、相手が攻撃を加えてきました。

それをあなたは手で受けながら横に捌いたところ、たまたま後ろの壁に勢い余って相手が衝突して大ケガをしてしいました。

普通は、相手が勝手に壁に衝突したのだから、相手が悪いと思います。

しかし、攻撃を手で受けた後に相手がけがをしてるため、相手を押したと判断され、逮捕される恐れがあるそうです。

☆  ☆  ☆

明らかにそんなの間違っています。でも、それが日本の法律なのです。

 

 


護身に理想的な構えの条件

 

 

暴漢に襲われそうになったら、やはり身を守る構えは必要です。

そこで、構えについて条件を考えてみましょう。

  • 相手に戦う意志がないように見せる必要がある
  • 不意に相手が攻撃してきても弱い部分(急所)に攻撃を受けないようにする
  • 万が一の場合、攻撃に移れる

以上の条件が護身には最低限必要ではないでしょうか。

 


構え方としては

【相手との距離】

相手との距離は最低2メートル以上を保ちます。相手はあなたをすぐに捕らえられず、相手の動向を探れる距離です。

【足】

足のの開き具合は肩幅程度で、利き腕側の足が前で、図のように一直線上にレの字形に立ちます。

【手】

暴漢に対しては、掌を向けます。これで「やめてください」と言っても不自然ではありません。

このとき指先から出た気が相手の目を突いているイメージが大切です。これで相手の無意識に圧がかかります。

なお、相手が刃物を持っている場合は、手首には動脈があるので切られないよう垂直にならないようにします。

【目】

目はできる限り動かなくし、相手の後方に視線をやり、相手全体を見るようにします。

それができない場合、相手の肩耳か、顎下を中心に相手全体が目に入るようにします。

目は決して暴漢の目を見ないでください。アイコンタクトを取ることで、あなたの考えが相手にすぐに分かるようになります。

また相手の手や武器は直接見てはいけません。

☆  ☆  ☆

次回は、この構えが何故有効なのか説明します。

 

 

 

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【護身での構えとは?!】1

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

護身術を教えているというと、
「構えはどうしたらいいですか?」
と時々聞かれます。

多くの護身術では、まず顔面をガードした攻防が簡単に行えるようにボクシングで使うようなファイティングポーズを指導していることが多いようです。

ところが、僕はファイティングポーズはとらない方がいいと考えています。

 

 


ファイティングポーズとは?!

 

 

ファイティングポーズというのは、ボクシングや格闘技で、戦うための姿勢をいいます。

特にボクシングでは、戦う意志を示すための構えとして、ダウンした後にファイティングポーズをきめて戦う意志があることを示さないと、立っていてもカウントがつづき、10カウントでKOとされてしまいます。

ファイティングポーズというのは、簡単に攻撃や防御ができる構えです。

基本的な考えとしては、いつでもパンチが出せ、しかも、相手の攻撃を、コメカミやあごなどの急所に受けないように手で隠しつつ、いつでもガードできる構えです。

ですから、万が一相手の攻撃がヒットしても、致命傷は防げるというものです。

これだけ知ると、護身にピッタリだと思えるかもしれませんが、大前提は、相手と一戦を交えるという点が問題です。

 


護身術では無暗に戦わない

 

 

護身術では、最も重視すべきは「自分自身の安全確保」です。

ですから、ケガをする恐れのある戦いはできるだけ避けなければなりません。

でも、そこであなたがファイティングポーズをとったらどうなるでしょうか?

相手はあなたは戦う気十分と考えます。すると相手は、ケンカに自信がなければ、所持している武器を出すかもしれません。

もっとも大切なのは、ファイティングポーズをとるのではなく、相手との距離です。相手との距離はできる限り2メートル以上を保つようにします。

その際、相手を刺激するような構えは取らないでください。こちらが構えるだけで相手は非常に警戒します。

 

2メートル以上を保って相手の要求を確認します。なお、2メートルを保つといっても、後方に下がると、確実に追い詰められます。

あなたのすべきことは相手が詰めてきたら、相手の進む方向に対して、斜め後方に距離を取るということです。

ここでファイティングポーズを取らないことを主張していますが、構えは非常に大切です。

構えというと、ファイティングポーズを連想する人がいるとおもいますが、護身術の構えは、戦うポーズではなく、戦う意志を相手に悟らせず、すぐに攻防ができる体制で、すぐに動けるスタンスを保つことを重視します。

次回は、ファイティングポーズを取らず、すぐに対戦できる構え方を説明します。

 

 

【武道とスポーツの違い】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、本日、一般稽古をおこないました。当会の会員にはメキシコで総合格闘技をやっていた元プロ格闘家が所属しています。

その人が、京都からわざわざ来られている会員の方に面白いことを話していたので今日はその話をしたいと思います。

今日のテーマは、「武道とスポーツの違い」です。

 


メキシコ帰りの元格闘家

 

当会の会員には、メキシコの元プロの総合格闘家のKさんという人がいます。

といっても、メキシコ人ではありません。東京出身の日本人で、Kさんは、柔道、極真カラテを経て、メキシコに渡ってプロの総合格闘技をやっていました。

その人は、徹底的に総合格闘技をメキシコでやっている中、足の腱を切り、総合格闘技から去ったということです。現役を離れた後、腱の再生手術をしているので、現在はまったく問題ないとのことです。

そこまでのめり込んだKさんは、僕でも、思いもよらないことをよく話します。

ある意味、彼の方が僕よりも本質をついていることがよくあるので非常に勉強になります。

 

 


総合格闘技はスポーツ?

 

そのKさんが京都から学びに来ているFさんと組んで、稽古をしていました。

そのKさんがFさんに指導しながら、
「ここの技は、日ごろの身体の使い方をしちゃだめですよ。普通の動きだと、タメを作って素早く動く。でも、タメを作った時点で動きがばれてしまうんですよ」

「格闘技もタメを作らないのですね」

「いいえ、タメをつくります。だから格闘技はスポーツなんですよ」

「えっ、スポーツなんですか?」

「格闘技は飽くまでもスポーツですよ。今、自分達がやっているのが本当の武道です。格闘技は所詮、運動神経が優れていて、体格が大きくて、筋力の強い人が勝つようにできているのです」

「ということは武術といってもいいのですね」

「我々は、やったらダメなことはしないです。使う場所をわきまえるから武道ですよ」

 

 


Kさんの着眼点

 

この人は当会の合気道が強いと言っているのではありません。

強い、弱いじゃなく、視点の問題を話しているのです。

Kさんの着眼点は、「相手の知らない技術で相手を制するという発想の元、井口師範から教わった秘伝を使っている」という点です。

Kさんのスポーツと武道の境界線は、互いに知り尽くした技で正々堂々とルールに則って試合をするのがスポーツだそうでうす。

Kさんによれば、武道には命のやり取りという究極のテーマが隠れていて、そのため、秘伝という相手の知らない技術を稽古して、いざというときに使えるようにしておく。これが武道なのです。

非常に共感できたので、記事にしました。

 

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【暴漢への対策】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、大阪府吹田市の交番襲撃事件の容疑者が逮捕され、略奪した拳銃を押収でき一安心です。

警官を一人になるよう誘導したり、防刃ベストの脇の隙間から包丁を突き刺すなど、かなり計画的に考え抜かれた犯行である点も非常に恐ろしく思います。

 

 


銃器に対する護身

 

 

基本的には刃物や銃器に対しては、戦おうとしなことです。

久保正樹氏の著書『護身全書』にその対処方法が書かれているのでその内容をピックアップしておきます。

なお、この対処法は偶発的に犯罪に遭遇した場合の対処方法で、相手が殺害目的で銃器を発射する場合には使えないということです。

  • 多くの場合、横か後ろから襲ってくる
  • 銃を突き付けられた場合、おとなしく立ち止まって、相手の言うことを聞く
  • 抵抗の意思がないことを示すため両手を挙げる
  • 金を要求されたら、片手は必ず挙げたままで、どこに入っているかを説明する
  • 内ポケットに入っている場合、武器が無い事を知らせるため指先を使って上着の内側を完全に相手に見せてから、人差し指と中指で財布をつまみだして取り出す

なお、無差別殺人などや発砲事件に出くわしたときできることは、

  • 先ずは伏せることが基本(身体をできるだけ低くして、標的になりにくくする)で、事態が収拾するまでじっと動かないこと
  • もし犯人の死角に逃げるチャンスがあればそこに隠れる(ただし無暗に動くと標的になる可能性をあることに十分注意する)

ちなみに、アメリカで発砲事件などに出くわしたとき、殆どのアメリカ人が伏せているのに、一人ジーっとつっ立ったまま見ている人がいると大抵は日本人だそうです。

 


通り魔に刃物で襲われたら

 

万が一、刃物を持った通り魔に襲われたら、まずは距離をとり、逃げることを考えましょう。

刃物を持った相手に対する大切なポイントは

  • 目を相手の目と合わさない
  • 刃物に焦点を合わさない

相手と目を合わすと、相手の攻撃が確実にあなたを襲います。刃物に焦点を合わすと、あなたの足は確実に止まってしまいます。

その上で、距離を取ることを考えます。距離をとるためにはモノを武器として使うことを考えます。

基本的には相手が近づいてくるとそれで相手の目を狙うのが良いでしょう。

ティシュペーパーなどですら目に飛んでくると1秒ほど相手の動きは止まります。

多くの人はモノを投げるとき、必ず引いてから投げますが、それだと相手の虚をつけません。

軽いものを投げるときは、初めから手首を曲げ、腕も若干曲げておき、腕を引かず、タイミングをみて手首のスナップをいきなり利かせて相手の目にぶつけることです。

 

 

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【防犯の専門家の警察官ですら…】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

最近、恐ろしい事件が非常に多いです。

6月12日、大阪府吹田市交番の前で警察官が襲われ、防刃用ベスト着用の上から包丁で胸を突き刺され、銃を奪われるという事件が発生しました。

先月5月28日朝、川崎市で児童らが刃物を持った男に襲撃された事件がありましたが、今回は犯罪を取り締まる交番を狙った本当に悪質な犯行です。

ただ、このような事件が起こると、刃物を持つと素人でも簡単に防犯の専門家ですら殺せるというイメージが一般の人の心に浸透するのが非常に恐ろしいと思います。

 

「市民と触れ合う信頼の場所」だった交番は?

 

 

交番は昔は派出所とよばれていましたが、真偽はともかく「市民と触れ合う信頼の場所」ということも含め、親しみやすい交番と呼ぶようにしたと聞いています。

ところが、今回の事件、そして、昨年の9月19日、仙台市の交番で巡査長が大学生に刺され亡くなった事件などで、警察官の警戒心が強くなり、一般市民と壁を作ってしまうではないかと非常に心配です。

 

刃物を持てばという心理の伝播

 

今回の事件以降は、日本の警察の安全管理についてさらに徹底して指導を始めることでしょうから、交番襲撃もこれ以上は難しくなるでしょう。

ただ、問題としては、逮捕術を心得ている警察官ですら、今回のように簡単に被害に遭うわけです。

僕が一番危惧するのは、『刃物を持てば、例え相手が武道などをしていても、十分にやれる』と思わせる考えが増えることです。

今までは、犯罪者の中に、相手が武道や格闘技をしていると『もしかするとやられるかもしれない』という気持ちがどこかにあったと思います。

ところが、防刃チョッキを着ている防犯の専門家である警察官ですら、刃物にやられているわけです。

心理的な障壁が一つ崩れたような気がします。この心理の伝播により犯罪を犯す人間がより増えるのではないかと危惧します。

 

 

危機管理の知識が大切

 

 

僕たち、武道をやっている人間でも、やはり刃物を持つ相手は危険極まりないと考えています。

ましてや、後ろから不意に刺されるとなす術がありません。

昔、武田惣角という合気柔術の達人がいました。惣角は、何十人もの敵をアッと言うまに倒したことでも有名ですが、自分の後ろに立たれるのを非常に嫌がったと言われています。

それぐらい後方の敵というのは達人であっても危険なものです。

しかし、前方の敵に対しては、武道をやらない人よりも、様々な知識がある分、武道を知っている方がかなり有利なのは間違いはないでしょう。

素人でも相手が武器を持っている時どうするかという考えは大切です。事件に遭遇する前から自分なりに対策を持っておく必要があります。

 

 

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【痛くない受けと折れない腕】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、昨日は技の研究会の日でした。最近は技の基本に立ち返って、個々の技術を確実にする稽古を行っています。

今回は、正面打ちの受け方を折れない腕に関連付けて稽古をしました。

 


本気で来る正面打ちの受けは痛い?!

 

 

以前、雑誌だったと思うのですが、合気道の師範の方が書いている記事で、合気道開祖・植芝盛平翁先生がご存命のころは、修行者は本気で正面打ちを打っていったものだと書かれていました。

その記事によれば、正面打ちに技の稽古をしたとき、腕は痣だらけになって腫れあがったものだったそうです。

それで、あるときあまりにも痛いので、一緒に組んでいる相手と申し合わせをして、痛くないように打つよう手を抜くことにしたところ、それを見抜いた翁先生に叱られたという内容でした。

その師範の内容によれば、痛くなくなるまで腕を鍛えるのが本来の合気道ということでした。

そして、井口師範も、毎日の稽古で岩を思い切り叩く稽古を繰り返していたと聞いています。そして、血まみれになった手や足にはいつも包帯を巻いていて、包帯を欠かせたことがないとも言われていました。

そんな井口師範ですが、正面打ちを受けられると、受けられた方は全く痛くありませんでした。受けられた瞬間体が崩されるというか、力が入らなくなるのです。だから衝撃が殆どありません。

実は、いくら思い切り相手が正面打ちを打ってきても、正しく受けると全く痛くないのです。

 


痛くない受けとは?

 

痛くない受けというのは、実は「折れない腕」の応用です。

その応用をするのに3つのポイントがあります。

相手の力を丹田で吸収する

折れない腕は自分の丹田と相手と繋がった感覚というのが大切です。この相手と丹田で結ばれている感じというのが、痛くない受けと非常に関係があります。

正面打ちの受けは、上の方向に折れない腕を作ります。相手の正面打ちを受けたとき、相手の力が自分の丹田に落ち、感覚としては、丹田で受けるという感じです。

相手のタイミングに合わす

痛くない正面打ちの受けにはタイミングが重要です。

そのタイミングを作るには、相手に受けるタイミングを読まれないことです。

そのために、相手の肘を迎えに行くというつもりと、突然、空中にその折れない腕が現れるごとく出現するというイメージでが大切です。

そうすることで、相手はコチラのタイミングが読めず、相手の力が乗る前に相手の手刀による攻撃を受けることができます。

受けるのは柔らかい部分

こちらは前腕の裏面である筋肉のついた柔らかい部分で受けます。そうすると、相手の骨とこちらの骨がぶつからないので安全に柔らかく受けることができるのです。

 

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【Q&A】面白い質問が届きました!

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

ブログに関する初心者の方の質問がちょうど入ったので、今日はその質問に答えたいと思います。


Q1.折れない腕は手を握っても可能か?

 

通常の気による説明だと、「折れない腕」というのは手を開き指から気を放出することで、気が腕に流れ、それにより腕が異常に強くなるとされています。

一方、私の書いた二つの記事だと、折れない腕は、物理学、生理学、心理学を使った総合的な技術であり、相手と自分の関係で相手が十分力がはいらない状況を作っていると書いています。
折れない腕の科学1

折れない腕の科学2

もし、私の記事が正しいのであれば、別に指を開いて気を放出する必要はないのではないかという質問です。

結論からいうと、握っていても折れない腕はできます。

ただ、握るということに意識が行くと、上手く行かないのも確かです。

合気道の師範の中で、生徒に握った場合と指を開いた場合を実際に試させる人がいます。

その上で、合気道の優位性を強調するため、
「空手や拳法は手を握るから気がでない。合気道は手を開くから気が出る。合気道の方が優れている」
と、説明する人がいます。

でも、他の武道が気において劣っているということはありません。

握って上手くいかないのは、合気道家があまりパンチを稽古しないからで、気の武術といわれる中国の内家拳では発勁というとんでもない殺人パンチを出す方法があります。

中国武術は気について途方もない年月研究されている武術です。合気道家も学ぶべきものは沢山あります。

また、私は座り技呼吸力鍛錬法(所謂、呼吸法)でも、ワザと手を握って行うことがありますが、十分に相手を倒すことができます。

 


Q2.丹田の正しい位置は?

 

 

丹田には上丹田、中丹田、下丹田と3つあるという記事をかきました。
【重心の科学】3 重心と丹田

下丹田の位置は説明していますが、他の丹田の正確な位置がわからないということですので図に示しておきます。

 

上丹田

眉間の丁度真ん中の奥にあり、漢方では印堂(いんどう)とよばれる経穴(つぼ)の位置の奥になります。

中丹田

左右の乳頭(乳首)を結んだ直線の真ん中の胸骨の奥にあり、漢方医学では壇中と呼ばれる経穴(つぼ)の位置の奥にあります。

下丹田

臍下3寸の位置と言われています。この寸というのは、漢方医学で、経穴(つぼ)を測る基準で、1寸は親指の幅です。

また、3寸は人差し指、中指、薬指、小指をそろえたときの横幅であるとも言われています。

丹田の測りかたは、臍の下に四指をそろえて小指の下ということです。

 


Q3.合気道では上丹田、中丹田を使うことがあるか?

 

井口師範の指導する合気道では、答えはYesです。

 

中丹田

中丹田は、腕の根本と考え、中丹田に陰陽太極を意識しつつ使用すると、力が正中線から出、三角筋緊張による起立筋緊張の反射が起こりません。

そのため、スムーズに呼吸力が出ます。

上丹田

上丹田は、意念を集中し、気を集めるときに使います。

また、自分の下丹田の力と相手の下丹田の力が拮抗しているときに、下丹田からの力を維持したまま、上丹田に意念を集中して、頭を振ると相手は後方に大きな力を受けます。

ただし、ただ頭を振るだけではだめで、ちゃんとした技術があります。

ちなみに、上丹田の技術は塩田剛三師範が生前よく使われていました。

 

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【刃物を持った通り魔があらわれたら?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
本日は、久しぶりに調査員の女性の護身術の個人指導を行いました。

調査員というのは、危険な地域で公共団体の職員の代わりに、公務の調査を請け負う仕事をする人です。

先日、その調査員の人の集会があり、その際に、ある一人の男性に説得されたということで、今日指導した調査員の女性が、刃物を持った暴漢と戦う方法を教えてほしいといいました。

僕は、即座に「女性が男性と戦うのは無理です」と答えました。

武器を持っていない気の弱い痴漢ならまだしも、人を殺そうと刃物を持って襲ってくる暴漢を相手にするのは、いくら武道をやっているとはいえ素手では男性でもかなり危険です。

 


男性調査員の主張

 

 

その男性調査員は、若いころプロボクサーを目指していたとのことで、ボクシングの腕にはかなり自信があります。

そして、何年か前から、ある事件がきっかけで体を鍛えだし、現在は毎日一人でボクシングの稽古に励んでいるのです。

確かに、60歳は過ぎているものの体が締まり、半袖のシャツから覗かせる腕からも如何にも体全体が鍛えられているとわります。

その日は、調査員の男性3名、女性2名の合計5名が集まって話し合いを持つ会議の日でした。

調査員同士の連絡事項などが終わった後、危険な地域での暴漢の話になりました。

すると、その元ボクサーの男が突然話を始めだました。

「例えば、暴漢が刃物を持った男だったらどうする?」
と指をさされたのが老齢の女性の調査員です。

「安全を確保するため、できるだけ距離をかせぐようにしてから、急いで逃げます」
と女性調査員は答えました。

まさしく護身術においては優等生的な答えです。

ところが、その男は、
「そんなことでいいのか? もしかしたら、その男が他の人間を襲うかもしれんのだぞ。何故取り押さえようと思わないのか? 人はどうなってもいいというのか?」

「でも…」
「でももへったくれもない。あんたはどなんだ?」
と、次は32歳の女性を指さして、その男が言います。

「私にはとても無理です」
「無理とかそういう話をしているのじゃない。自分さえ助かれば他人はどうなってもいいのかと聞いているのだ?」
「……」
「我々は委託ながらも社会福祉に関わって仕事をしているのだから、人の命を犠牲にしていいという考えではあかん。もっと人の命を考えて行動すべきだ」

 


護身の基本は先ずは自分の安全確保

 

その男の主張は一見筋が通っているように思えますが、無茶苦茶な話です。

まず女性の力では男性の力にかなうはずがない事をはっきりと教えないといけません。

しかも、本気で殺しにくる相手を素手で簡単に制するなんて、男性でも、武道の達人でないかぎり難しいのです。

女性は、まず自分の命を守るために、安全確保を如何にすべきかを考えるべきで、最悪の場合でも、何を武器にできるかを考え対処すべきです。

それぐらい、刃物は危険です。

以前、秋葉の通り魔殺人事件では、防刃チョッキをきた警官一人が警棒で応戦するも、かなり手間取り、最後は銃を突き付けて初めておとなしくなったということです。

日ごろ、武道に励み、逮捕術の稽古をしている警官ですらこうですから、素人のしかも素手の女性がどう通り魔を制するというのでしょうか?

刃物を持った通り魔が現れたら、まずは逃げることを考えましょう。

最悪でも距離は2mは近づけないことです。

「やめなさい。話せばわかる」
など言っても、人を殺す気できている暴漢には話し合いは通じません。くれぐれもコミュニケーション距離まで近づかないことです。

とにかく、距離を取ることを考えないといけません。自分の安全確保した時点で、携帯で警察に知らせればよいので、自分で何とかしようなんてする必要はありません。

 

 

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【重心の科学】3 重心と丹田

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
本日も、重心に関わる記事を書いていきます。

武道では丹田を非常に大切にします。

実際は丹田は3つありますが、武道では下腹部にある丹田を概ね意味しますので、今回の丹田は、下丹田といわれる下腹部の丹田です。

合気道に限らず武道でもよく言われることですが、人体の重心は丹田にあると言われます。

今回は人体の重心の位置と丹田の位置にについて述べたいと思います。

 


人体の重心は丹田か?!

上の写真は見事に重心をとらえてバランスを取っている体操選手の写真です。

丹田の正確な位置は後で述べますが、下腹部にあるというのは読者の殆どの人が知っていることだと思います。

もし重心が丹田にあるなら体が後方に落ちて、この選手はこの状況ではバランスをとることができないはずです。

ということから、丹田位置と重心位置は違うということがわかると思います。

武道においては、通常は立っている状態で行うので、ぶっちゃけは概ねは近い位置であるのは間違いないのですが、正確には重心と丹田位置は違うはずなのです。

 


丹田は神仙道の丹(薬)を作る場所

 

 

元々、丹田とは、神仙道の不老不死の霊薬、金丹を作り、育てる場所という意味で名付けられた部位です。

基本的には、臍下3寸の位置と言われています。

3寸というのは、1寸が3センチだから臍の下9センチのところが丹田かというとそうではありません。

幼児や赤ちゃんになると、丹田が人体より下になっちゃいます。

この寸というのは、漢方医学で、経穴(つぼ)を測る基準となる寸法のことで、1寸は親指の幅ということになっています。

ですから、体が小さいと親指が小さいから、3寸も小さくなります。

また、3寸というのは、基本的には、人差し指、中指、薬指、小指をそろえたときの横幅であるとも言われています。

ですから、丹田の測りかたは、臍のしたより四指をそろえて小指の下ということです。

これが正式な丹田位置となります。日本では丹田の位置についていろんな説があります。

しかし、漢方医学は、神仙道と深いつながりがあり、気の流れを見ますから、本来、金丹を作る位置ということになると、これが正式な位置ということです。

一部の合気道では、丹田は恥骨の少し上と、本来の丹田位置よりかなり下の位置を指導する人がいます。

これは氣の研究会主宰の藤平光一師範が臍下3寸をそのまま一寸を3センチとして指導したためです。

とはいえ、間違った位置を丹田と言っても、藤平師範のような達人がその位置で素晴らしい技を繰り出していますから、合気道においては正確な丹田位置はそんなに重要でないといえます。

ただ、腹部の下部の一点に少なからず意識を置くと、体が安定するというのは間違いがありません。

 

 

 

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【重心の科学】2

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

前回、「持ち上がらない体」について話ました。

今回も、「持ち上がらない体」についてもう少し追加の記事を書いていこうと思います。

 


理合いが存在する

 

 

一見すると不可解な現象も実は、合理的に説明しうる理由があります。

そして、その理合いが分かれば、誰でも再現は可能であると言えます。

一見摩訶不思議に思える「持ち上がらない体」も科学的に見た場合、気のパワーで重力をコントロールする超能力ではなく、もっと合理的で科学で理解できる技術でした。

そのポイントは、自分の軸を一本に保つことで、重心を安定させ、相手の力の支点の上に乗るのを防ぐ技術であった訳です。

このように一見不可思議な技術も、思い込みや先入観によるもので、科学的に見ても合理的に説明できる理由があります。

 


「持ち上がらない体」の続き

 

藤平光一師範が行う「持ち上がらない体」には続編とも言える技が存在します。

藤平光一師範は「持ち上がらない体」のパフォーマンスを披露するときに、最後に相手を自分の足元に倒すということをよくしたと聞いています。

一見すると、体の大きな人を上から、グッシャっと押しつぶして倒したように見えます。

ところがこれにも理合いが働いています。

中心軸を保った相手を何とか持ち上げようとする際、前に倒れようとする力が働き、持ち上げることができません。

そこで、その前に倒れようとする力を打ち消すためには、自分の身体を後方に倒してバランスを保とうとするわけです。

ところが、そうすると持ち上げようとする相手との距離が開き、腕だけでは支え切れなくなり、やはり相手を上げることができません。

そうして、前後のバランスに意識が流れたとき、持ち上げようとする人を前方に引き寄せると、突然バランスを失い自ら倒れてしまいます。

ここで大切なポイントは、相手を引き寄せるということです。

間違っても下に押しつぶそうとしても相手は倒れません。

見た目は下に押しつぶしているように見えても、相手を引き寄せているだけです。

飽くまでも、相手の重心操作だけを行っています。

 

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